モデルチェンジで値上げやコスト削減も
ランドクルーザーは、日本への割り当て台数が生産総数の10%以下で、発売直後から納期が約4年に延びた。その後も延び続けて、今では受注を停止させた。パーツの供給不足ではなく、もともとの生産計画に問題があった。このほか「ノア&ヴォクシーのハイブリッドは約1年、ハリアーのPHEVなどは、納期が2024年までズレ込んで受注が停止した」という。
トヨタに限らず日産の販売店では「サクラの受注が停止した」と述べており、ホンダでは「N-BOXやN-WGNなどの軽自動車は、納期が以前は約3カ月だったが、今では半年まで延びた」という。さまざまな車種の納期が遅れているわけだ。
そうなると納期の短い中古車を希望するユーザーが増える。ところが新車の納期遅延で下取り車も入荷せず、中古車の流通台数も減っている。需給のバランスが変わり、中古車価格まで上昇してきた。
また今は原材料費や輸送費も上昇している。納期遅延で生産/販売台数が下がると、メーカーや販売会社の利益は一層減ってしまう。そのために一部改良やマイナーチェンジの時に値上げを行う車種も生じている。
カローラセダン&ツーリングの一部グレードは、以前は独立式のダブルウイッシュボーンだったリヤサスペンションを、車軸式のトーションビームに変更した。値上げだけでなく、コストの低減も行われている。
厳しい状況が続き、従来は行われなかった対策も講じられるようになった。今までの常識では、新型は旧型よりも優れた商品に進化して当たり前だったが、最近は違う。前述のコスト低減により、標準装着されていた装備をメーカーオプションに変えるといった変更も実施される。新旧モデルを見比べて購入したい。