この記事をまとめると
■クルマで外出して飲酒した際に頼むことになる運転代行は2002年に法律が施行された
■利用料金は代行を依頼するときに目的地までの概算料金を確認することができる
■信頼できる業者選びや損害保険への加入確認など、利用者の自己管理も大切だ
運転代行業者には都道府県の認可と二種免許が必要
運転代行は、クルマで出かけた会合で酒を飲む機会が生じたり、体調が悪くなり運転が難しくなったりしたとき、代わりに自分のクルマを運転し、指定した場所まで送ってくれる事業だ。1960年代にはじまったといわれるが、一般に広く知られるようになったのは1980年代に入って飲酒運転への厳罰化がなされた頃である。当初は事業を行ううえで規制がなかったが、2002年に自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律が施行され、都道府県の公安委員会による認可がないと営業できなくなった。
運転代行の運転者が、自分のクルマを代わりに運転し、依頼した人は自分のクルマに同乗して移動する。これが運転代行だ。
このとき、代行運転をする人は、業者のクルマで依頼場所へ向かい、目的地に到着後はそのクルマで戻ることになる。したがって、代行運転業者はふたり一組での行動になる。代行運転中は、依頼人のクルマに代行運転業者のクルマがついて行く。目的地到着後、代行運転の運転者を連れ帰るためだ。
代行運転をする人も、二種免許が必要になる。
利用料金は、代行を依頼するとき、目的地までの概算料金を確認することができる。業者には、それを伝える義務がある。飲酒や体調不良などの場合、料金確認まで気がまわりにくいかもしれないが、ここをきちんとしておかないと、あとで支払いについて問題が生じることもあるという。
万一の事故に対しては、代行業者のほうで損害保険に加入している必要がある。この点も、依頼するとき事前に確認しておくといい。じつは、代行運転中の20%弱で事故にあったという統計もある。
同乗者がある場合、代行運転をする人が乗ってきた業者のクルマには乗ることができない。それは白タク行為になってしまうからだ。したがって依頼者のクルマに乗ることになる。このとき、当然ながら、代行運転をする人の乗車人数が増えることになるので、多人数で移動する際は注意が必要だ。定員を超えてしまう場合は、別途、タクシーなどを頼む必要がある。
代行運転をする運転者が乗ってくるクルマには、代行運転業であることを示す表示が義務付けられている。
そのうえで、代行運転での損害を防ぐうえでも、信頼できる業者を選び、依頼の際には損害保険への加入などを確認するなど、利用者の自己管理も大切だ。