犬の快適さと安全性を考えた方法を
ただ、寂しがり屋の超小型犬、小型犬と飼い主ふたりのドライブとなると、愛犬を後席に乗せるのは無理! というケースもあるはずだ。どうしても助手席に乗せなければならない場合、もちろん、そのまま乗せるのは運転に支障をきたすし、万一のエアバッグの展開で愛犬にダメージを負わせる危険性があり、なおかつ道路交通法違反にもなる。
でも諦める必要なし。ホンダの愛犬用純正アクセサリーのHonda Dogシリーズにある「ペットシートプラスわん2」を使えばいい。後席だけでなく、助手席にも安全確実に装着できるアイテムで、前傾した形状のため、エアバッグの展開を回避可能。上面、サイド面がメッシュのため、通気性、飼い主とのアイコンコンタクトもバッチリ。どうしても愛犬を助手席に、というなら、筆者の知る限り、これを使うのが唯一の方法になる。
筆者の愛犬は、歴代、ゴールデンレトリーバー、ラブラドールレトリーバー、キャバリア、そして現在はジャックラッセルのララ1頭だが、くどいようだが後席乗車が基本。大型犬、多頭と暮らしていたときは、Honda Dogシリーズのペットシートマットやフォルクスワーゲン純正のフラットベッド、ボルボ純正のドッグベッドのような、快適性、通気性、清掃性に優れた、ハンモック状のアイテムを使い、後席全体を、フロアに落ちる心配のない愛犬用スペースにしている。ハンモック状アイテムの選択の際は、前部にエアコンの風を通す通気孔があるもの(Honda Dogシリーズのペットシートマットでは肉球メッシュデザインのところ)を選びたい。
愛車に後席用エアコン吹き出し口があればいいが、そうでないなら、インパネのエアコン吹き出し口からの冷風が後席にしっかり届くかが、暑い時期の暑がりの愛犬乗車ではとても大切な要件になるからだ。筆者の場合、後席の愛犬乗車部分に温度計のセンサーを設置し、運転席から後席の室内温度を常にモニターしているほどだ(22-24度が1年中、毛皮を着ている犬の快適温度と言われている)。
つまり、暑い時期でなくても、車内の温度管理は乗員ではなく、愛犬中心にすべきということ。エアコンを効かせてちょっと寒いと感じるのであれば、飼い主はパーカーなどを1枚羽織ればいいだけだ。その点、トリプルゾーンフルオートエアコン装着車が理想的で、愛犬が乗車した後席部分の独立温度調整が可能となり、そこだけより涼しくしてあげることができる。ミニバンやプチバン、スーパーハイト系軽自動車にあるスライドドアのロールサンシェードも車内温度上昇を抑制する効果がある。
そして、愛犬の乗車、降車方法も徹底したい。乗せる際はリードをつけたまま乗せ、車内で外す(その後、適切な拘束装置をつける)。下ろす場合は車内であらかじめリードを付けてから下ろすと安全だ(飛び出し防止)。
また、長距離ドライブでは、1時間半~2時間に1回はSA/PA、道の駅などにクルマを止め、愛犬を車外に出してリフレッシュ(水分補給、散歩、トイレ含む)させてあげることも重要だ。そのために、わが家ではあらかじめ愛犬中心のドライブプランを立て、どこで休憩するか(ドッグランのあるSA/PAが理想)、どこに愛犬と入れるランチスポットがあるかなどを詳細にプラニングしている。愛犬連れ長距離ドライブでは、人間だけのドライブ旅行とは違い、自由の効かない部分もあるため、行き当たりばったりは避けるべきだと思っている。
このほかにもお伝えしたいことは山ほどあるが、今回はここまで。秋、春は愛犬とドライブするのに最適な季節。安全・快適に愛犬とのドライブを楽しんでほしい。犬にとって、1日中、飼い主と一緒にいられるドライブ旅行は、犬生の間でこのうえない幸せな時間なのだから。