ドアロックの解除方法を教えておくことも有効
そこで普段から、子供に「もし万一、あなたがクルマに取り残され、ママやパパが外にいるのに、ドアが開かなくなったとき、どうすればいい」という解決策を教えておくといい。アメリカでは、
1)クラクションを鳴らすための方法を教える
2)チャイルドシートのバックルの外し方を教える
3)ドアロック解除方法を教えるの3つの方法を子供に教えておく
……ことが推奨されているが、1)と2)は、たとえば親がギャングに拉致され、ドアロックされた車内に子供だけが取り残される……というケースでは役立つかもしれないが、キーの閉じ込めではあまり意味がない。
ポイントは3)のドアロックの解除方法だが、リヤドアにチャイルドロックがかかっていると、普段の安全のために車内側からはロックが解除できない(ミニバンなどのパワースライドドアは運転席のスイッチで開閉可能)。そこで、普段の子供とのコミュニケーションの中で、「もし車内に閉じ込められたら、このスイッチを操作すればドアが開く」というインフォメーションを与えておくといい(あくまで閉じ込められた場合のみ行うと念を押す)。子供は後席に乗せるのが基本だから、親と同乗中に勝手にドアを開けてしまう危険はチャイルドロックで防げるというわけだ。また、フロントドアのロックスイッチに、特徴的なマーク、シールを貼っておくのも分かりやすいかも知れない。
とはいえ、それは自身でドアロックを解除できる年齢の子供に限られる。それができない幼児だとそうはいかない。とすると、やはり運転手(親)の注意が不可欠。くどいようだが、車内に子供やペットを残してクルマを離れるのはいかなる場合も厳禁。ウインドウを拭く、トランクを開ける……といった場面でも、必ずキーを携帯する習慣を徹底したい。そして上記の子供へのインフォメーションを行っておく二重、三重の対策をしておくべきだ。最悪の場合、子供のいる位置からもっとも遠いサイドウインドウを割る強硬手段に出ざるを得ないだろう。
ちなみにスウェーデンの自動車メーカー、安全第一のボルボでは、子供やペットの車内の置き去りを検知する、世界初のインテリア・レーダー・システムを発表した。荷室を含む車内全体の1mm未満の動きをオーバーヘッドコンソール、天井のリーディングランプに内蔵されたセンサーが検知。車内に人(子供)やペットがいることが検知された場合、ロックができないようになり、センターコンソールのスクリーンに確認のリマインダーを表示。検知した場合、ロックができないとともに、車内の空調システムがオン。熱中症や低体温症のリスクを低減してくれるという。近日発表予定の電気自動車SUV EX90から搭載されるとのことだ。