この記事をまとめると
■トラックやバスのナットに何やら樹脂でできた緑のモノが付いていることがある
■これはチェックリンク、ホイールナットマーカー、連結式ナット回転指示インジケーターなどと呼ばれるもの
■ナットの緩み対策として装着が推奨されている
ホイールナットの緩み対策として装着されている
信号などで並んだ大型トラックやバスのホイールを見ると、ナット部分に緑の樹脂が付いていることがある。蛍光の緑でふたつのナットをS字に結んでいて、素材も見るからに樹脂だ。
付けていない車両もあるだけにどうして付けているのか非常に気になるものだが、目的としては昨今問題になっているナットの緩み対策。点検していても左右輪差がきつい左後輪はとくに緩みやすく、脱輪事故も起きているほど。政府として緊急対策を講じている問題だったりする。
そのなかでの推奨アイテムとなっているのが緑のアイテムだ。正式名称というか商品名はチェックリンクで、国土交通省ではホイールナットマーカーと呼んでいる。さらに業界団体の日本自動車工業会では連結式ナット回転指示インジケーターという、ものものしい呼び方をしている。
取り付け方や効果はどの製品も同じで、ナットを結んで装着する。ナットが緩まないように結んでいるのではなく、緩むとS字部分が変形するのでひと目で緩みが発見できるというのがポイントとなる。同様のアイテムで、ひとつずつにベロ状の出っ張りを付けるタイプもあるが、わかりやすさではこちらだろう。
付ける向きには決まりがあって、通常の右に締めるネジは、前のナットが9の字になるようにして、後ろ側は6の字になるように付けて、いわゆる逆ネジは反対にすると緩んだときにわかりやすい。
今までは締め込んだら、黄色などでチェックを入れていていた。ただ増し締めやローテーションを頻繁に行うので、いちいちきれいにして印を付け直すのは面倒だし、しばらくすると消えてきた。その点、樹脂の目立つリンクなら、これらの問題が解消できるので、効果的ではある。気になる価格は50個で8000円ぐらいと、もう少し安くなると普及が進むかもしれない。もしくは補助金や買い上げによる無料配布だろうか。
そもそもそんなにナットは緩むのか疑問に思うが、ドライバーに聞くと「車種や形状、個体差もあるが、世間が思っている以上に緩む」という言葉が返ってくる。大型のタイヤが外れると単純に車両事故になるだけでなく、他車への損害が発生したり、歩行者に当たっての死傷事故も起こっていて、深刻な問題なのだ。
日本自動車工業会では「落ちない! 車両キャンペーン」を実施するなど、啓蒙を続けている。ちなみに「お・ち・な・い」の4つがポイントになっていて、内容はこちら。
お=おきまりのトルクできちんと締め付けて
ち=ちゃんと増し締め交換後
な=なっと(ナット)見て ボルト触ってさぁ出発
い=いゃ待てよ? ボルトとナットは適正か?
という、ちょっとユーモラスな内容になっている。緩み解消の決定打は今のところないだけに、基本的な点検や作業しかないのも現状だったりするので、広く周知させるのは重要だ。