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【試乗】直6ディーゼル+FR+ハイブリッドが驚くほどいい! マツダ CX-60の商品力はCX-5オーナーの中谷明彦をも唸らせた (2/2ページ)

【試乗】直6ディーゼル+FR+ハイブリッドが驚くほどいい! マツダ CX-60の商品力はCX-5オーナーの中谷明彦をも唸らせた

この記事をまとめると

■直6エンジン+FR駆動を採用したSUV「CX-60」に試乗

■CX-8とCX-5の間を埋める車種となっており最新の機能を数多く搭載している 

■燃費にも優れることから売れ筋はマイルドハイブリッド仕様となっている

話題の直6エンジンを搭載したSUVに公道で乗ってみた

 マツダが今後展開していく「ラージ商品群」の第1弾としてCX-60がいよいよ公道デビューした。すでに山口県にある同社テストコースでプロトタイプ試乗は行われているが、実際に生産モデルを走らせるのはこれが初めてである。

 CX-60はミッドサイズSUVとして登場させられるが、現行CX-5よりひとまわり大きく、エンジンを縦置き搭載するまったく新しいプラットフォームを新開発。直列6気筒(インライン6)エンジンを搭載するなど魅力的な商品構成となっている。ラインアップは2.5リッター直4ガソリンエンジンにプラグインハイブリッドシステムを組み合わせたPHEV。また、直列6気筒3.3リッターディーデルターボエンジンに48Vマイルドハイブリッドシステムを組み合わせた仕様、そして3.3リッター直列6気筒ディーゼルターボエンジン及び2.5リッター直4エンジンという4つのエンジンバリエーションが設定されるという。

 今回の試乗に供されたのは直列6気筒ディーゼルターボエンジン+48Vマイルドハイブリッド仕様のみである。また、トルコンレスの新開発縦置き8速ATトランスミッションを装備した全輪駆動AWDである(一部グレードにはFR+2WDもラインアップされている)。

 実際に車両を目の前にしてみると、外観的にはCX-5とも共通するマツダの「鼓動」デザインが活かされ、非常に流麗なボディラインとアグレッシブな存在感が際立っている。普段CX-5に乗るオーナーである自分自身が少し縮んだかのように錯覚するほど、CX-5よりも大きな車体で迫力が溢れ出ている。

 ドアを開けコクピットに乗り込むと、ダッシュボードは極めて洗練されたデザインで高級な作り込みがなされていることがわかる。ひと目見ただけで欧州のプレミアムカーのような上質な仕上がりだ。ダッシュボードセンターには12.3インチの大型モニターが装備され、ドライバー正面にも同様に液晶モニターが展開されている。また、センターコンソールはその真下にトランスミッションやジェネレーターモーターを搭載するなど従来のFFベースのモデルよりも高い位置にあり、横幅も大きく表面の仕上がりが豪華だ。

 エンジンを始動する。通常のセルモーターを使用して直6ターボエンジンが目覚める。そのときは若干振動が感じられるものの、アイドリング状態になるとほとんど振動はなくなる。ディーゼル特有のノイズも聞こえてはいるものの、6気筒になったことで爆発周期がより短くなり連続性が持たされているのでノイジーな印象が薄れているのだ。ちなみに車外でエンジン音を聞いてみても、従来の4気筒ディーゼル2.2リッターターボエンジン搭載モデルよりも車外騒音は小さく押さえ込まれていて、その音色も4気筒のディーゼルとは異なっていることが聞き取れた。

 シフトセレクターをDレンジにセットして走り始める。ドライブモードはデフォルトでは「ノーマル」となっていて、シフトレバーの右上に配置されたドライブモードセレクターにより「オフロード」や「スポーツ」といったモードも選択することができる。

 通常、ハイブリッド車はEVモーターにより発進し始めるが、このマイルドハイブリッドシステムはモーターの出力がそこまで高くなく、基本的な走り始めはエンジンの駆動力によって行われる。ただ、トランスミッションがトルコンレスで湿式摩擦多板クラッチを電磁操作する新しい機構になっていて、クリープなどもそのクラッチを半クラッチ制御することで得ているのである。したがって、走り始めはEVやEVモードのハイブリッド車よりもよりマニュアルトランスミッション車の感覚に近い。

 ただ、ドライバーは2ペダルのイージー運転が可能で、アクセルの踏み込み量に応じて半クラッチ制御も切り替わる。上り坂部分で停止すればクルマは少し後ろへ下がるほどで、クリープによる半クラッチ制御は強めとは言えない。そうした場面ではオートホールド機能を用いてクルマの後退を防ぐ必要がある。また、走り始めのクラッチ制御はややジャダーが感じられ、摩擦クラッチ仕様車らしさが現れているわけだ。

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