この記事をまとめると
■軽バンの三大モデルといえるハイゼットカーゴ、エブリイ、N-VANだが売り上げでN-VANは他2台に大きく劣っている
■N-VANはパッケージングで他2台よりも不利で、ホンダはセミキャブスタイルの軽バンを用意すべきとの声もある
■かつてホンダが用意していたセミキャブスタイルの軽バンに比べるとじつはN-VANはかなり売れている
二強一弱状態となっている軽バン市場
トラック以外の軽商用車のことを「軽バン」と呼んで、趣味のクルマとして愛でるという文化が盛り上がっている。最近ではスズキからスペーシアベースが登場したことも、軽バン市場に刺激を与えている要素だ。
そんな軽バンの三大モデルといえるのが、ダイハツ・ハイゼットカーゴ、スズキ・エブリイ、ホンダN-VANだ。このなかでN-VANは売れていないという指摘を目にすることもあるが、はたして軽商用車の販売状況はどうなっているのだろうか。
まずは、全軽自協による2022年度上半期(4月~9月)の販売統計データから軽バンを抜き出して整理してみよう。
1位 ダイハツ ハイゼットカーゴ 4万4209台
2位 スズキ エブリイ 2万8318台
3位 ホンダ N-VAN 1万4810台
4位 日産 NV100クリッパー 1万1620台
5位 トヨタ ピクシス 2897台
6位 三菱 ミニキャブバン 2129台
7位 マツダ スクラムバン 1914台
8位 SUBARU サンバーバン 1859台
ちなみに4位以下のモデルはハイゼットカーゴもしくはエブリイのOEM車。ピクシスとサンバーがハイゼットカーゴのOEM、NV100クリッパーとミニキャブバン、スクラムバンはエブリイのOEMだ。
それらを合算して独自にランキングを計算すると次のようになる。
ハイゼットカーゴ系 4万8965台
エブリイ系 4万3981台
N-VAN 1万4810台
ハイゼットカーゴ、エブリイともOEMを含めると半年で4万台以上を売っているにもかかわらず、N-VANは1.5万台以下。シェアだけでいえば軽バン市場は二強一弱といえる。
その理由として、N-VANはN-BOX系のFFプラットフォームを採用していることによるパッケージ面での不利なところが指摘される。ハイゼットカーゴやエブリイはエンジンの上に運転席を置くFRベースのセミキャブスタイルで、全長が同じ軽自動車であればFFよりもセミキャブスタイルのほうが荷室を広くできるのは事実だ。