カメラ関係は選んでおきたいオプション
また、マイナス評価として気になるのが、どのような場合で事故扱い、修復歴アリの扱いとなるかです。
「修復歴は規定上1mmでも骨格に外から与えられたダメージを修復した場合に付けられるR評価となります。多くのクルマで採用されているモノコックボディの場合、モノコックにダメージが少しでも与えられれば事故扱いです。ただ、オークション会場や会社によって曖昧な部分もあって、軽度のものだったらほかの会社や会場ならR評価のものが、別だとR評価とならないこともあります。また、意外なポイントとしては前後のフェンダー交換は修復歴扱いとなりませんが、ルーフの交換は修復歴扱いとなります。なので、雹害車は板金やデントリペアで直されることが多いですね」
日々のカーライフでのポイント
そしてここからは普段のカーライフで気を付けるポイントを教えて頂きました。まずは匂いについてです。
「タバコやペットの匂いは大きく評価を落とす原因になります。2010年以降匂いに関してはより市場が敏感になっている印象ですね。リセールを気にするのであればタバコは車外で吸う、ペットと出かけるときは窓を開けて帰宅後こまめに掃除をするといった心がけが重要です」
また、査定前ではなく日々の洗車、そしてメンテナンスにもポイントがあるとのこと。
「汚れた状態が長いと塗面にダメージを与えてしまうので、少なくとも1カ月に1回程度の定期的な洗車は重要です。また、点検記録簿を残すことも査定ではプラスになります。その際は基本的に同じ整備工場で整備してもらうのがベストです。ディーラーでずっと記録簿が付けられていたら最高ですね。もちろんディーラーでの車検は高くなりますが、ポイントは“同じ新車ディーラーで記録簿が付け続けられたこと”車検や法定点検などはディーラーに任せて、タイヤやオイルなどの消耗品の交換は馴染みのショップやインターネットを使って安く済ませるのが最終的に一番損をしないと思います」
購入時にケチらなければ数年後プラスになる
そしてここからは新車購入する時に意識したいポイントを教えてもらいました。
「新車で買うならば好きな仕様にするのが一番ですが、近年は残価設定ローンなど乗り換えを前提とした買い方が増えたため、リセールを気にして注文する人も多いと思います。ポイントとしてメーカーオプションはリセールに有利に効きますね。とくに運転支援システムやアラウンドビューモニターなどのカメラ関係は選んでおきたいオプションです」
また外装の状態を維持していくことと人気を考えるとオススメなカラーと、そうでないカラーがあるそうです。
「ボディカラーも重要です。オススメとしてはパールホワイトですね。人気のカラーですし、汚れやキズが目立たないため査定的にも有利になりやすいです。パールホワイトでなくても薄いメタリックやパール系の色を選んでおいた方が汚れやキズが目立たないため良いです。また、絶対にオススメしないのがソリッドの黒です。黒系は人気の高い色ですが洗車しても洗車キズが目立ちやすいですし、クリアの劣化も目立ちます。室内保管で丁寧に洗車する方なら良いですが、普通の方にはオススメできません。あとは新車時にコーティングしておくのをオススメします。確かに初期投資はかかりますが、キレイな状態を保ちやすくてリセール的に有利ですし、洗車も時短できるのでトータルで見ればお得だと思います」
高い査定は日々の積み重ね
今回、中古車検査員に中古車の評価と査定のメカニズムに基づいて、気になる疑問を聞いてみました。そこで分かったことは特別なことはないということ。日々のメンテナンスや洗車、記録簿の有無など少しでもクルマを知っているユーザーならば想像できる「こうした方がいいだろう」の積み重ねた先に高い評価や査定結果があるのです。「どうせ数年で乗り換えるから」という人も愛車を日々大切にすれば、得することは間違いないです。