ランボルギーニの救世主となった初の1万台超えモデル! ガヤルドの成功物語 (2/2ページ)

ランボルギーニで初の1万台以上を販売したモデルとなった

 ガヤルドのセールスは、ランボルギーニ、そしてアウディの目論見どおり好調にスタートした。その後、ガヤルドには2005年にはオープン仕様のスパイダーを登場させると同時にエンジンを520馬力に強化。さらに、2007年にはより軽量でスポーティなスーパーレッジェーラを、さらに10馬力アップの530馬力と100kgの軽量化で投入した。

 そしてデビューから5年を迎えた2008年のジュネーブショーで、ランボルギーニはガヤルドの後期型ともいえる、直噴システムを採用した新開発の5.2リッター版V型10気筒自然吸気エンジンを560馬力の最高出力と540Nmの最大トルクで搭載した、新型ガヤルドを発表したのだ。

 エンジンを縦置きミッドシップすることを意味する「LP」の称号に続いて、最高出力と駆動方式を示す「-4」といった、規則的なサブネームが採用されたのも、このモデルからになる。

 この年の11月には早くもLP560-4スパイダーが発表されるが、さらに2009年には限定車として長年テストドライバーとして、ランボルギーニに貢献したヴァレンティーノ・バルボーニの名を掲げた、LP550-2ヴァレンティーノ・バルボーニが発表される。特筆すべきはその駆動方式で、シンプルな後輪駆動となったこのモデルの人気は高く、翌年にはLP550-2はシリーズモデル化された。

 その後も進化を止めることはなかったガヤルドシリーズ。最終発展型となったのは、2013年のフランクフルトショーで発表されたLP570-4スクアドラコルセだった。これはワンメークレース仕様のスーパートロフェオをベースとしたロードモデル。現在では貴重なコレクターズアイテムだ。

 そしてガヤルドの魂は、その後継車であるウラカンへと受け継がれた。全世界で1万4022台の販売が行われたというガヤルドは、現在のランボルギーニの成功の礎となったモデルと評しても、それは間違いではないだろう。

 ガヤルドはまた、スーパーカーの入門用モデルとしても非常に大きな魅力を持つモデルであることは確かだ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
蛯原友里

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