この記事をまとめると
■最大積載量の記載がない乗用車にはどれくらいの荷物を積むことができるかを解説
■「55kg×乗車定員+乗車定員分の手荷物」を基準に車両総重量が決められる
■荷物の重量も大切だが、運転に支障がないように積み込むことにも気を配りたい
「55kg×乗車定員+乗車定員分の手荷物」が基になっている
乗用車にはどれくらいの荷物が積めるのか。たとえば、商用車では、貨物の積載重量が決められている。しかし、乗用車にそのような表記が見当たらない。
複数の自動車メーカーに問い合わせたところ、いずれも回答は同じで、乗車定員の人数すべてが乗車した場合の手荷物程度としているとのこと。その際の、ひとりの体重は55kgということなので、今日の日本人の体格からすると、やや少なめの体重といえるかもしれない。
そして、この体重を基に、車検証に記載されている車両総重量が定められているという。
一般的なクルマの利用において、乗車定員での移動はあまり多くないのではないか。たとえば5人乗りの登録車の場合、4人乗りまでは可能性があるが、5人乗るとなると機会が限られそうだ。
したがって、4人乗車したとしても、もうひとり分の55kg+手荷物程度という重さの荷物は積めることになる。55kgといえばかなりの重量で、ひとりで簡単に持ち上げることはできない。それでも小分けにした荷物を積み込むのであれば、それなりの重量物を荷室に積めてしまうだろう。
特殊な例を除いて、常識的な範囲で支度した荷物は、荷室に入る分量であれば車載しても重量超過になる可能性は少ないといえるのではないか。明確な数字で何kgまでとはいえないが、貨物車と違い、乗用車の荷室は、ミニバンなどを除き、それほど容積が大きいわけでもないので、まずはそれほど心配しなくてもいいといえそうだ。
ただし、小分けした荷物が、加減速や曲がるときなどに荷崩れしないよう積み込む配慮は必要だ。乗員が怪我する恐れが生じるだけでなく、運転に支障をきたし、事故につながることも皆無とはいえない。
重量はそれほどでなくても、後席に置いたものが減速時に前へ滑り落ち、運転者のペダルの隙間などに挟まってしまうと、ブレーキはもとより、加速もできなくなることで追突を招くといった懸念も生じかねない。
いずれにしても、荷物の積み込みには気配りが必要だ。