「ベガス」を目指すならぜひ遠回りを! まるで映画のような「砂漠ルート」ドライブの非日常体験とは (2/2ページ)

砂漠の一本道のような道をドライブ

 翌朝はそのまま1-15号線を進むのではなく、ちょうどモーテル近くのI-15号線から枝分かれのように始まる、I-40号線(ニードルズフリーウェイ)をまず進むことにする。このフリーウェイはノースカロライナ州ウィルミントンまでを結んでいる。このI-40号線の魅力は、筆者が利用している区間では、ひたすらほとんど人の気配のない自然の荒野を進むこと。そしてI-15号線に比べると格段に交通量が少ないことがある。バーストゥを出た直後からフリーウェイに入ったらオートクルーズ(自動速度維持装置)を入れっぱなしでの走行がOKとなる。一般車両の制限速度が時速70マイル(約時速112km)なのに対し、トレーラーなどの大型車は制限速度時速55マイル(約時速88km)なので、たまにトレーラーなどの低速車に追いついたら追い越せばいいだけなのである。自分のクルマ1台だけで進むことも珍しくなく、速度をあげずにノンビリと手つかずの風景を楽しみながらクルマを進めた。

 やがて133番の出口に入り、USルート(アメリカ国道)95号線を進むことになる。95号線へ行くのではなく、そのまま進みアリゾナ州に入って少ししてI-40号線をはなれ“レイクハバスシティ”へ行くと、本物のロンドンブリッジが架けられているので、余裕があったら寄り道してみるのをおすすめする(筆者も1度行ったことがある)。

 US-95号線のカリフォルニア州内は片側1車線の交互通行となるのだが、制限速度が時速65マイル(約時速97km)と、日本では信じられない設定となっている。しばらく走ると踏切に差し掛かる。運が良ければ(?)遮断機がしまり、いつ通過するかわからない長い編成の貨物列車が通り過ぎるのを待つことになる。踏切を越えしばらく走ると州境を越えてネバダ州に入り、ネバダ州に入ると片側2車線となる。道路が広くなるのと同時に制限速度も一部の区間で時速75マイル(約時速約120km)となった。ただし、この95号線はあくまで一般国道であって高速道路ではない。沿線には住宅がたまにあり、ほかの道路との交差点も当たり前のように存在する。もちろん一般の道路とは異なる設計とはなっているものの、交通量も少ないのでまわりのクルマもビュンビュン飛ばしている。

 95号線はやがてI-11号線にぶつかるので指示に従いラスベガス方面をめざす。その後I-215号線をI-15号線方面に進み、ラスベガス通りでI-215号線を降りてラスベガス通りを通り、ストリップ地区にある宿泊先に到着した。

 筆者はカジノやショーには興味はあまりなく、ラスベガスはあくまでドライブの目的地のひとつ。“砂漠の一本道”のような道路を走りたかったのでこのルートが大好きである。けっして“隠れルート”ではないが、I-15号線でラスベガスへ向かうことに物足りなさを感じている人は是非試してもらいたい。ちなみに行程は所要時間4時間強(休憩など入れると)、距離は236マイル(約378km)となっている。

 自然のままの風景の砂漠の中をひたすらクルマを飛ばす。レストエリアもほとんど人がいない。デスバレー周辺をぐるぐるまわるほどガソリンのことも気にせずに済むので、日本ではまず体験できないドライブを是非堪能してもらいたい。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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