SUVも豊作だった2022年前半に登場したオススメモデル
■日産 エクストレイル
○:パワーユニットはハイブリッドのe-POWERのみだ。発電用エンジンは、可変圧縮比の機能を備えた直列3気筒1.5リッターターボになる。動力性能に余裕があり、高速域の伸びも良い。内装の質も高まった。
×:19インチタイヤ装着車は、時速50km以下で乗り心地が硬い。20インチを履いたオーテックのほうが角が丸い印象でタイヤのグリップ力も高く、ステアリングホイールを通じて路面の情報も伝わりやすい。後席は着座姿勢を安定させたい。
*買い得グレード:G・e-4ORCE
予算に余裕があるなら、プロパイロットなどを含めて装備の充実度を高めたG・e-4ORCEを選びたい。価格はX・e-4ORCEに比べて69万9600円高いが、加わる装備は80万円相当に達する。
■マツダ CX-60
○:直列6気筒3.3リッターリーンディーゼルターボなどを搭載して、駆動方式は後輪駆動を採用する。従来のマツダ車は、前輪駆動のプラットフォームで無理にボンネットを伸ばしたが、CX-60は後輪駆動だから、フロントピラー(柱)と前輪の間隔が広がった。外観の見栄えが自然になり、ボディサイズの割に良く曲がって運転の楽しさを味わえる。
×:減速時にボディの前側の沈み込みを抑える機能は、同乗者には快適だが、ドライバーには違和感が伴う。カーブの手前で減速したとき、前輪への荷重移動が不十分に感じられ(実際には前輪へ荷重が移動しているが)、旋回軌跡を拡大させるような不安を抱いてしまう。乗り心地も硬めだ。タイヤサイズは20インチが主力だが、19インチのほうがバランスは良いだろう。
*買い得グレード:XD・Lパッケージ
モーター駆動を併用するマイルドハイブリッドとPHEVは価格が高い。また、Sパッケージ以下では、内装の質が大幅に下がる。買い得グレードは意外に限られ、価格をハリアーハイブリッドGと同程度に抑えたディーゼルのXD・Lパッケージだ。予算に余裕がある時は、XD・エクスクルーシブモードも検討するといいだろう。
■トヨタ・クラウン クロスオーバー
○:全車がハイブリッドを搭載する。後輪をモーターで駆動する4WDと、後輪操舵の機能も全車に標準装着した。走行安定性が優れ、19インチタイヤ装着車は乗り心地も快適だ。21インチは路上のデコボコを少し伝えるが、扁平率が低い割に粗さを感じさせない。
×:後席の足もと空間は広いが、腰が落ち込んだ座り方になる。小柄な乗員は、大腿部を押された感覚になりやすい。ボディがワイドで後方視界も悪い。また、高速道路の渋滞中にステアリングホイールから手を離しても制御が続く運転支援機能など、ノア&ヴォクシーでは大半のグレードにオプション設定したが、クラウンクロスオーバーでは上級のRS系でないと装着できない。上級車種なのだから、先進装備も幅広いグレードに用意すべきだ。
*買い得グレード:Gアドバンスト
パワーユニットは2.5リッターのハイブリッドが割安。「アドバンスト」の付かないグレードは、2023年1月以降の生産だから納期が長い。筆者ならGアドバンストを選ぶ。