この記事をまとめると
■右左折をする前にウインカーを出すのは基本中の基本
■しかし出さない、または曲がる直前まで出さない人がかなり多い
■ウインカーの意義について今一度解説する
何のためにブレーキを踏むのか周囲に知らせることが重要
右左折をする前、あるいは車線変更をする前にウインカーを出すのは基本中の基本。道路交通法でも、左折・右折・転回は30m手前、進路変更は3秒前に方向指示器(ウインカー)を出すことが明確に示されていて、これを守らない者は、合図不履行違反として、違反点数1点 反則金6000円(普通車)が課せられる。
にもかかわらず、ウインカーを出さない人、あるいは曲がる直前まで出さない人がかなり多いのが現状だ。
2016年にJAFが実施したアンケートによると、「方向指示器(ウインカー)を出さずに車線変更や右左折する車が多い」と答えた都道府県のワースト1位は岡山県。以下、香川県、徳島県、沖縄県、福井県と続く。
岡山県や香川県ではこうした事態を重く見て、独自の路上表示「★合図」(岡山県)や「オリーブマーク」(香川県)を交差点の手前、30mの位置などにペイントして、ウインカーを出すようドライバーに促しているが、今のところ改善が見られたという噂は聞こえてこない……。
ウインカーを出さない・ウインカーを出すのが遅いというのは、マナーの問題ではなく、左折時の巻き込み事故や右直事故(右折車と直進車の衝突事故)、追突事故などの原因になり、事故のリスクに直結するので個人の判断で蔑ろしにしていいものではない。
「ウインカーを早く出すのはカッコ悪い」
「ウインカーを早く出すと初心者みたいに思われるから」
といった理由で、ウインカーを出すのが遅い人がいるようだが、適切なタイミングでウインカーを出せないドライバーこそ、危険で、なおかつヘタクソなドライバーだと断言できる。
少なくとも、右左折にせよ、進路変更にせよ、ブレーキを踏む前には、ウインカーを出して、何のためにブレーキを踏むのか、あらかじめ周囲のドライバーに知らせておくことが肝要だ。
タイミングがわからないという人は、横断歩道の手前にある菱形のダイヤマーク(「この先に横断歩道又は自転車横断帯があるという意味」)を目印にするといい。ダイヤマークは2つあり、ひとつ目は横断歩道の50m手前、二つ目は30m手前に描かれているので、この2つめのマークで、交差点まで30mの距離を覚えるといいだろう。
車線変更の3秒前のほうがわかりやすいと思うが、距離でいうと、50km/hで走っているときは、約41.7m手前から。高速道路で100km/hで走っているときはその2倍の約83.4km/h手前でウインカーを。
なお、合流するためのウインカーは、右に出すべきか、左に出すべきか悩むことがあるが、シンプルにハンドルを左に切りながら合流するときは左ウインカー、ハンドルを右に切りながら合流するときは右ウインカーと覚えておけばいい。
ウインカーの消費電流などはたかがしれているし、電球の寿命だって10年10万kmぐらいは余裕でもつはず。
わずかな手間を惜しんで、リスクを増やしたり、ヘタクソ認定されるより、重要なコミュニケーションツールとして、積極的にウインカーを使って、安全で円滑な運転ができるよう、ウインカーの使い方を見直して欲しい。