この記事をまとめると
■デ・トマソが2023年に新型車のP72を発売することを発表した
■P72はカーボンモノコックに700馬力超の5リッターV8を搭載するハイパーカー
■デ・トマソP72は72台の限定で価格は75万ユーロ(現在のレートで約1億645万円)
パンテーラで一躍有名になったデ・トマソの復活
1959年、イタリアのモデナに設立されたアウトモビリ・デ・トマソ社。その社長であったアレッサンドロ・デ・トマソは、設立から数年をレーシングマシンの開発と製作に費やし、そのノウハウをもとに1962年には最初のロードカーたるヴァレルンガを市場へと送り出した。
これに続くマングスタ、パンテーラの成功は良く知られているところだが、1970年代中盤に世界中を襲ったオイルショックの影響で、アレッサンドロ本人は、1973年にはデ・トマソ社の経営から撤退。会社も1975年には操業を停止するに至っている。その一方でデ・トマソは、マセラティやオートバイメーカーに援助の手を差し伸べているのだから、経営者としての彼の行動は、一般人には計り知れない。
そのデ・トマソ社も、創業から数えればすでに60年以上の時を刻んでいる(もちろんそれが存在しなかった時間もそれなりに長く、たとえば2011年に一度は復活を遂げたものの、2013年にアレッサンドロ氏が死去したことを受けて、2014年には再びその活動は中止されている)。ちなみに現在のオーナーは、香港にあるアイディアル・ヴェンチャー社。そのリーダーシップによって、今年1月にはドイツのニュルブルクリンクの近くに新工場を建設し、久々の新型車となる「P72」を生産することが発表された。
すでにこの「P72」のプロトタイプは、創業60周年にあたる2019年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで初披露されており、そのプロジェクトにはAMGの創設者であり現在はHWAの代表でもあるハンス・ヴェルナー・アウフレヒト氏や、かつてデ・トマソとともにP70を生み出したデザイナーのピート・ブロック氏、そしてドイツのスポーツカーメーカー、アポロ・オートモービル、F1マシンの開発などでも多くの実績を持つカプリコーン・グループなどのメンバーがそれに協力している。