物流の停滞も大きな足かせに
もちろん大きな理由としては半導体の不足や物流の停滞などが挙げられるだろう。新型となったシビックタイプRには先代型よりもさらに進化した安全運転支援システムの「Honda SENSING」が標準装備となっただけでなく、先代ではオプションだったナビゲーションシステムも標準となっており、より半導体が必要になっていることは間違いない。
そのほかの理由として考えられるのは、先代型と異なり新型シビックタイプRは海外仕様も含めて日本の寄居工場が生産することになっているのだが、エンジンは引き続きアメリカ・オハイオ州の工場で作られたものが搭載される。そのため、物流の停滞も大きな足かせとなるのは間違いないだろう。
また海外向けの車両も同じ工場で作るということは、日本向け以外のシビックタイプRをどれだけ作るかというのも重要な要素となる。現状、どのくらいの割合で日本向けのシビックタイプRが生産されているのは不明だが、円安著しい昨今、海外向けの車両の比重が大きくなっても致し方ないかもしれない。
ちなみに現時点でアメリカ市場でのシビックタイプRの価格は明らかになっていないが、現地メディアの予想では4万ドルをわずかに下まわる価格になるのではないかと言われている。執筆時点のレートで換算すると4万ドルはおよそ580万円となるから、輸送のコストを考えても海外で売ったほうが利益が出るのは間違いないだろう。