この記事をまとめると
■高速道路や都市高速の案内表示板にアルファベットと数字がついている
■これは「高速道路ナンバリング」によるもの
■ナンバリングに定められた5つのルールを解説する
もともとインバウンドを考慮した施策
高速道路や都市高速のジャンクションなどで見かける案内表示板に、いつの頃から謎のアルファベットと数字がついていることに気付いているだろうか。
たとえば、東名高速であれば「E1」というアルファベットと数字による番号が割り振られている。しかも、この番号は路線ごとについているわけではない。「E1」であれば東名高速から名神高速までを指している。道路網として認識しやすい設定となっているのだ。
これは、国土交通省が進めた『高速道路ナンバリング』によるものだ。
高速道路ナンバリングが導入されたのは2017年頃。当時、日本の経済政策として進められていたインバウンドや2020年に予定されていた東京オリンピック・パラリンピックにおける訪日外国人の方に高速道路ネットワークを使いやすくするために整備が進められた。
たしかに漢字やローマ字の表記だけで、非日本語圏の人が自分の行きたい方向を判断するのは非常に困難。わかりやすい道案内のために高速道路ナンバリングは有効というのが狙いだった。もっとも、新型コロナウイルスの流行などもあって、インバウンドは縮小してしまったため、高速道路ナンバリングにどれほどの経済効果があったかは疑問だが、新型コロナウイルスについては不可抗力的であり、ナンバリングが愚策であったと断じてしまうのは違うだろう。
もちろん、高速道路ナンバリングは日本のユーザーが使いやすくなることも考慮している。そのためナンバリングには5つのルールが定められている。