スーパーGTの現場で学生を鍛える! KONDO Racing×自動車大学校の「日産メカニックチャレンジ」には熱い魂が溢れていた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■バラエティあふれる車種が参戦するSUPER GTのGT300クラス

■KONDO Racingでは自動車整備士を目指す学生がチームの一員として活躍している

■これは日産自動車大学校によるカリキュラムだ

実際のレースチームで学ぶ大学校の特別なカリキュラム

 クルマ好きのなかには、立派な自動車整備士になることを夢見て、専門学校へ入学し、日々教養を身につけている“メカニックの卵たち”がいる。そんななか、全国に5校を構える日産自動車大学校では、ほかの学校では体験することができない特別なカリキュラムを用意。それが「日産メカニックチャレンジ」だ。

 同カリキュラムは、日産自動車大学校と、SUPER GTなどに参戦するKONDO Racingが、「真のクルマ好き・組織に通用する人材を、モータースポーツを通じて育成」していくことを目的に、スタートさせたもの。2012年からスーパー耐久、2019年からは日産販売会社も携わって、SUPER GTへの参戦を開始。活動実績は10年以上を数える。

 学生たちはレースウィーク中にKONDO Racingの一員となり、メカニックやマネージャー、ゲストエリアの対応などを体験。学生たちにとっては刺激的な内容だが、KONDO Racingの近藤真彦監督によると、活動当初は困難も多かったという。

「最初は、周囲からの厳しい目もありました。当然レースは真剣勝負な世界なので、現場はピリついています。そんな環境下に学生を連れてくるのは、場違いなのではないかと。また、プロが走らせるマシンを学生に扱わせてもいいのだろうか。そういった不安もありました。でも、学生たちが真剣に取り組む姿を見て、周囲の見る目はいい方向に変わっていきました。今の若者はチャラいと言われがちかもしれませんが、参加してくれている学生たちは、強い信念を持った子たちが多いですよ」

 近藤監督は、レース現場での実習は、整備士を目指す学生たちにとって、非常に効果的だと語る。

「預かったクルマを3日以内に直して、お客さんのもとに戻す。学生たちが整備士になったら、時間に追われるミッションを、日々達成しなくてはなりません。一方、レース現場だと3時間でトラブルを直すこともざらにあります。さらに、命を懸けて戦っているドライバーのクルマをメンテナンスするわけですから、適当なことは許されない。精度を上げつつも、効率よく作業をしなくてはなりません。ただ普段の整備にしても、お客さんの命を預かっている点は同じなので、学生たちには、命を扱う仕事であることを再認識してもらいつつ、現場で感じた緊張感を、将来に役立ててほしいです」


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