この記事をまとめると
■デトロイトショー2022をリポート
■今回は自動車メーカーの経営陣の参加の少なさに焦点を当てた
■各メーカーの関心が向いていないことを実感させられた
かつてのデトロイトショーは華やかだった
かつてのデトロイトショーといえば、世界初披露モデルが続々登場するだけでなく、各ブランドの経営陣が勢ぞろいすることにも筆者は興奮し、プレスデーに会場内を駆け巡ったことを覚えている。
たとえば、過去にダイムラーでCEOを務めていた、ディーター・ツェッチェ氏は在任期間中デトロイトショーのプレスデーにおけるプレスカンファレンスに必ずと言っていいほど出席していた。ツェッチェ氏のスピーチを聞くと、「年が明けたんだな(昔のデトロイトショーは年明け早々に開催されていた)」と思ったものであった。やはり地元アメリカンブランドの幹部は見ものであった。“最後のカーガイ”とも呼ばれ、GM(ゼネラルモーターズ)で副会長まで務めた、ボブ・ラッツ氏、そしていまもフォードの会長であるビル・フォード氏などなど、もちろん日系ブランドの幹部も会場を訪れていた。
世界的にも年明け一番ぐらいに開催される世界的に格式のある自動車ショーということもあり、“世界的業界賀詞交歓会”ともいわれていたほど、華やかなものであった。
さらに、世界的メーカーの幹部だけではなく、ミュージシャンなどのアーティストをゲストとしてプレスカンファレンスに招待することもあった。とくにメルセデス・ベンツブランドでは毎年のようにサプライズゲストがカンファレンスに登場していた。フォードでは2018年に先代マスタングをベースにした、映画「ブリット」に出てきたマスタングをオマージュした“ブリット仕様”を発表したのだが、その席上には映画ブリットで主演を務めたスティーブ・マックイーン氏のお孫さんが出席しておおいに盛り上がった。
華やかさがあるだけでなく、アメリカらしい“お祭り騒ぎ”的演出もばっちりのデトロイトショーはまさに一流の自動車ショーであった。