環境への「悪影響」で乗れなくなった「クリーンじゃない」ディーゼルが再び市民権を得る!? いま規制撤廃が検討されるワケ

この記事をまとめると

■旧型ディーゼル車は現状、規制区域では乗ることができない

■しかし規制が緩和される可能性が出てきている

■背景にあるのは電気自動車などの普及による環境の改善

規制の撤廃も検討されている

 クルマに興味がある方ならご存じのように、黒煙が問題になった旧型ディーゼル車はどんどんと肩身が狭くなって、規制区域では乗ることができない。規制区域は東京、愛知、大阪など8都府県の約240市区町村。大都市を中心としてかなり広く、使用の本拠地として登録できるのは限られた場所というのが実際だ。逆を言えばそこでなら所有はできるのだが、正確には運行も規制されるので、トラックに貼ってあるステッカーはこれに該当しないことを示している。

 運行まで規制しないと、いわゆる車庫飛ばしで乗るなどの抜け穴ができてしまうからで、実際のところ、規制地域外で所有して遠くにはいかないという乗り方が現実的。趣味的な所有と言ったらいいだろうか。それでも伝統のランクルやパジェロ、さらには1990年代まで普通にあったクラウンやセド・グロのセダンは消滅に近い状態だ。

 しかし、ここに来て風向きが変わってきている。具体的には1992年に施行されたNOx法について、環境省が対策地域の解除指標を満たせば、規制を行っている各自治体の判断で規制解除の申請ができるようになるとしている。

 背景にあるのは、電気自動車などの普及による環境が劇的な改善をしたこと。今後もさらによくなることが見込まれていることもあって、5年後にはさらに規制の廃止自体を検討するとのこと。ただ、一部地域で改善が見られないので、継続するともしている。

 実際に愛知県と三重県が対策地域の指定解除を希望していて、都府県が解除を申請するときの要件も示されるという。ただし、そのためには解除から5年後も、環境状態が基準を満たすことをシミュレーションで確認することや、住民の理解を得ることが必要になる模様だ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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