この記事をまとめると
■スペーシアベースを公道で試乗した感想をリポート
■軽商用車としては豪華すぎる装備や機能を備えている
■シートなどの完成度や乗り心地は軽商用車の域を超えた完成度となっている
あまりの完成度の高さに軽商用車の覇権を取ったも同然!?
空前のアウトドア、車中泊ブームの中、軽キャンのベース車としても重宝される軽商用車に新しい1台が加わった。それがスズキのスペーシア ベース。もちろん4ナンバーの商用車であり、その基準を満たすべく、後席は簡易シートとなり、ラゲッジスペースを優先したパッケージングの仕立ててあるのだが、じつは、中身はほぼ乗用軽、スーパーハイト系軽自動車のスペーシアと同じなのである。
たとえば、マイルドハイブリッドなしのNAエンジンのみとなるパワートレイン(CVTのファイナルギアレシオは荷物の積載を考慮して変更。6.512→5.643)、はともかく、ボディ、プラットフォーム、足まわりからインパネ、室内高など、スペーシアと変わらず。全10種類ものスズキの予防安全技術のスズキ セーフティ サポートも標準装備。全方位モニターまで用意されているのである(パッケージ)。
スペーシアとの違いは、エクステリアではリヤクォーターウインドウ部分にパネルが貼られ、その内側にスペーシア ベース専用のギヤ感、秘密基地感を醸し出すリヤクォーターポケットを装備し、さらにスペーシア ギアにも備わる撥水シート生地やルーフレールが標準装備されているところなどだ。
インテリアでは、フロントシートがスペーシアのセミベンチシートからセパレートシートに改められているほか、後席は軽商用車お約束の簡易ベンチシートとなり、スペーシアにあるスリムサーキュレーター部分はオーバーヘッドシェルフ(XFグレード)として活用されているのである。このアイディアを思いついた人に拍手を送りたいぐらいである。
また、開口部地上高540mm、フロア奥行き735mm(スペーシア最大525mm)、フロア幅最大1265mm、天井高1180mmもの大容量ラゲッジスペースには下中上段にセットできるだけでなく、縦にもセットできてキャビンとラゲッジルームを仕切れるマルチボードが標準装備! されるのだから、太っ腹である(他車ではOPのケースがほとんど)。
その上で、MC前のスペーシア カスタムの堂々感ある顔つきが与えられ、そのフロントグリル、フォグランプベゼル、ドアミラー、ドアアウターハンドル、リヤガーニッシュ、アルミホイール(XFグレード)がブラックパール仕上げになっている。ちなみに14インチタイヤは、よりエコ性能寄りのワゴンRスマイルのものを、空気圧を高めて採用しているという。