「速く走ろう」なんて気持ちはドコへ? 超牧歌的なジムニーが3人家族にはアリ! モータージャーナリストの愛車インプレ【まるも亜希子編】 (2/2ページ)

3人での長距離ドライブも余裕!

 そして、独身時代はまったく考えなかったのが、「自分が後席に座る」というシチュエーション。娘が助手席が好きなので、家族で出かけると必然的に私が後席に追いやられるのですが、ヨイショと乗り込んでしまえば、スペースは十分に広いし、左右のちょうどタイヤハウスがあるところが荷物置き場にピッタリ。私の大荷物が入っているバッグがちょうど置けて、ゆったりと座ることができました。これなら長距離ドライブもぜんぜんOKです。が、荷室容量はやっぱり軽規格を感じさせる小ささ。家族3人分のスキー旅行の荷物は、ちょっと無理かもしれないなぁ……。2人ならなんとかいけそうかな、という印象です。

 また、購入したグレードは、シート表皮が撥水加工となり、シングルフォールディングリヤシートとなるXL。ドリンクホルダーや小物入れなどがやや少なめなので、アクセサリーを購入して自分で装着しました。ディスプレイオーディオも社外品を夫が1日がかりで装着。おかげで街乗りから遠出まで快適に使えます。

 パワートレインはターボエンジン+5速MT。副変速機付きパートタイム式4WDです。舗装路での走りは、先代よりかなり微振動が減って快適性がアップしているものの、ほかの乗用SUV、たとえばハスラーと比べるとやはり乗り味は古典的。コーナリングではビヨンと深く沈むし、段差を乗り越える時はドタンバタンという感じです。ステアリングの遊びも大きいし、いっぱい回さないと曲がれないのも最近のクルマとは真逆。速く走ろうという気は失せ、どこでものんびり行こうという気持ちになるクルマです。

 でもその代わり、ひとたびオフロードにステージを移すと、まるで別人級にイキイキとしてきます。自分のジムニーではまだ走ってないんですが、以前オフロードコースで試乗した際には、路面の凹凸を乗り越える際のドタバタが抑えられ、モーグル路を軽やかにかわす際のねじれ感も小さく、障害物をクリアしていく楽しさは先代以上だと感じたほど。先日、夫が袖ヶ浦のオフロードコースを走ってきたのですが、かなり楽しかった模様。私もそのうち、行ってみたいなと思っています。

 ただ現状は、あまりにラクなクルマに慣れきってしまい、パワーの小さいマニュアル車の運転が下手になりすぎました。コツコツと練習して、ジムニーの実力をしっかり出し切れるようになるのが当面の目標です。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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