この記事をまとめると
■トヨタから新型シエンタが登場
■クルマとペットの関係を強く打ち出している
■今回は新型シエンタのドッグフレンドリーなポイントを解説
新型シエンタはドッグフレンドリーカー間違いなし!
3代目となる新型シエンタは、TVCMを見ても分かるように、家族の相棒として、そして家族の一員である愛犬とドライブし、移動することも念頭に置いたコンパクトミニバンのようだ。何しろ8月23日に東京のららぽーと豊洲の中庭、シーサイドデッキで行われた発表会には、愛犬家タレントが愛犬とともに登場。愛犬自慢!? のトークショーが行われ、TVCMに出てくるミックス犬のちょうじゅろう君が”ワンバサダー”として登壇したぐらいで、トヨタとしてはめずらしく、クルマとペットの関係を強く打ち出した新型車とも言えるのだ(ただし、サブスクのKINTOで乗る場合、規約でペット同乗禁止となるので要注意)。
では、すでに実車の確認、採寸、試乗を終えたモータージャーナリストにしてドッグライフプロデューサーでもあり、毎年年末、ドッグフレンドリーカー・オブ・ザ・イヤーを、愛犬とともに”勝手”に選考している筆者は、新型シエンタのドッグフレンドリー度をどう見たか?
ドッグフレンドリーカーとして相応しいのは、7人乗り3列シートモデルもさることながら、ズバリ、5人乗り2列シートモデルのほうだ。最初に答えを言ってしまうと、「間違いなしのドッグフレンドリーカー」ということになる。
クロスオーバー感あるエクステリア、一気に上質さを増したリビング感覚溢れるインテリア、TNGAプラットフォームの採用でグッと自然になったドライビングポジションもなかなかだが、5人乗り2列シートの大容量ワゴンと呼べるパッケージングや走行性能もまた、愛犬に素晴らしく優しいのである。
まず、愛犬の特等席となる後席の乗降性だ。スライドドアのステップ地上高は先代同様330mmと、世界の乗用車でもっとも低い部類。しかもスライドドア開口高は先代比+60mmの余裕があり、小型犬を抱いたまま乗降するようなシーンでも飼い主はより楽々、スムースに乗り降りできるのだ。室内高も先代比で+20mmだから、乗り込んでからの姿勢の自由度もUP。
また、3列シートと2列シートの2列目席(後席)ではシートクッション構造が異なり、先代では2列シートのほうがソファ的でかけ心地が良かったものの、新型では構造は違うものの(先代同様)クッション性はほぼ同一。大人が座るとヒール段差不足と背もたれのクッション性に違和感を覚えるかも知れないが、愛犬を乗せるには文句なし。何しろ座面がフラットで犬も寛ぎやすいシート座面長は前席同等の500mmもあり、シート幅も1300mmとゆったりしたサイズだからだ。しかも、オプションで天井サーキュレーターが用意され、ノア&ヴォクシーのように後席エアコン吹き出し口がなくても、車内の空気が循環し、後席以降に乗車した愛犬も1年中、快適に過ごせることになる。
余談だが、2列目席(後席)のフロアからシート座面先端までの高さ=ヒール段差は先代の340mmに対して新型は325mmに減少したため、人の乗車ではやや膝が立ち上がる着座姿勢になる。しかし、犬がフロアからシートに飛び乗る……という場面ではメリットになりうるのである(ジャンプしやすくなった)。