若者は「NASCAR」「インディカー」より「F1」! アメリカでF1人気が急上昇した裏にある「ネトフリ」の演出 (2/2ページ)

動画配信サービスがF1人気を加速させている

 そのほか、アメリカンモータースポーツではNHRAなどドラッグレースも根強い人気があるが、テレビ視聴率や観客動員数で見ると、NASCARの各種カテゴリーが先行し、それをインディカーが追いかけるといった図式が長年に渡り続いた。海外進出についても、一時は積極的に展開した。たとえば、インディカーでは日本や欧州(ドイツ、英国)、NASCARも日本(鈴鹿、モテギ)が最初の海外進出となった。

 しかし、インディカーもNASCARも運営団体の想定と、実際の海外興行収益には大きな差があったことから、海外進出事業は2000年代を境に一気に収縮していく。また2010年代になると、インディカーもNASCARも、それぞれの全盛期のようなスター選手が育たなかったことなどもあり、人気としては高止まりの傾向にあった。

 そんなアメリカに、なんとF1人気が到来する。

 長年に渡り、アメリカでF1は開催されてきたのに、ヨーロピアンモータースポーツに対するアメリカ人の認知度は高くなかったのだが……。背景には、Netflixのドキュメンタリータッチの番組の影響がある。ドライバーの人物像を深く描くことで、アメリカの若者たちにF1が支持されるようになった。

 そうしたなかで、過激な演出があるとして、F1ドライバーの一部からはNetflixに対して苦情が出ることもあるが、それはそれでニュースとなり、人気に拍車をかけている状況だ。

先に発表された2023年F1シーズン日程では、ラスベガスGPが復活してシリーズ全24戦中アメリカで3戦が行われる。

 アメリカンモータースポーツの図式が今、大きく変わってきている。


桃田健史 MOMOTA KENJI

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