手軽だが本格的! 感動はスーパーGTと変わらない! カート初心者編集部員がもてぎのフルコースカートレース「K-TAI」に参戦してみた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■編集部3名がツインリンクもてぎのフルコースを走る「K-TAI」というレースに参戦

■故高橋国光さんも参戦歴がある名門「クラブレーシング」より出走した

■3名とも完走を果たしたが各マシンにアクシデントが続出

指令「もてぎのフルコースでカートに乗ってこい!」

 いつものように編集部で仕事をしていると、WEB CARTOP編集部に指令が下った。内容はとてもシンプル。「8月上旬にツインリンクもてぎで開催されるカートの耐久レースに出てこい」と、ただそれだけ。指令を受けたのは、WEB CARTOP編集部の編集長「石田」と、全身にスバルの血が流れているスバ女「乾」、それと、CARトップ本誌から異動してきて1年と少しのクルマオタクな筆者「井上」の3名だ。

 石田は業界歴も長いので当然カート経験がある。聞けばかなり昔ではあるがこのレースにも参戦したことがあるという。乾は少し乗ったことがある程度とのこと。僕も乾とまったく同じで、少し乗ったことある程度。要は素人である。そんな状態で、あの「ツインリンクもてぎのフルコースを走ってこい」なんて言われているのだ。新手のパワハラか!?

 冗談はさておき、走るのは大好きなワタクシ、実際にマイカーで走行会程度なら年何度か参加しているので、サーキット自体がまったく初めてということではない。それは乾も同じ様子。なので、「おいおい!」と思う一方で不思議とあまり緊張感はなかった。乾がどう思っていたのかは今となっては知る由もない(乾の参戦記はCARトップ2022年11月号をチェック!)。

 ということで、このエリート+子分2名の3名で構成されたWEB CARTOP小隊は、夏真っ盛りの8月6日、7日で開催された「2022 もてぎKART耐久フェスティバル“K-TAI”」に参戦することとなった。同レースは、鈴鹿サーキットやツインリンクもてぎを運営する「ホンダモビリティランド」が主催者となっており、1周約4.8kmのツインリンクもてぎフルコースを、レギュレーションに沿ったカートを使って、7時間掛けてチーム全員で走り切るという王道の耐久レース。2001年から開催されており、合言葉は「単に勝敗を競うのではなく、みんなでKARTを楽しもう」となっている。

「あのスーパーGTも開催されているもてぎのフルコースをカートで!?」と、思うかもしれないが、小学生の参加も許可されているほか、スーパーGTなどの本格的なレース同様にオフィシャルなども各ポストにスタンバイしているので安心安全に楽しめるので心配ご無用。つまり、条件さえ満たせば自動車免許は無免許でも参加OKというわけ。

 ただ、参加するまでの敷居はそこまで高くないにしろ、こんな壮大なレースをたった3名で参加できるわけがないのは火を見るよりも明らか。そこで、我々が参加する(混ぜてもらう)こととなったチームが、初回から参加し続けている老舗チーム「クラブレーシング」だ。ちなみに、今はカートだけだが、過去にはEK9(初代シビックタイプR)などでJoy耐などにも参戦していた本格的なレースチームだ。

 チームメンバーは約60〜70名ほどで、参加車両は「95号車(クラブレーシング・アン)」「96号車(クラブレーシング・ドゥ)」「97号車(クラブレーシング・トロワ)」「98号車(クラブレーシング・キャトル)」の4台。各号車には愛称としてフランス語で番号が振ってあるのがなんともオシャレ。絶対イタフラ車が好きな人がチームにいるはず(!?)。

 ドライバーは各号車に5名前後、そこにベテラン凄腕メカニックたちや、炊き出しなどでサポートしてくれるスタッフたちからなる大所帯。そして、マシンの各所に貼ってあるステッカーのとおり、スポンサー数社に支えられているという”ガチ”なレーシングチーム。うち1台「97号車」は、搭載するホンダの汎用エンジンの設計開発に関わっている人たちが持ち込んでいるマシンということもあり実質ワークスのような面も持ち合わせている。とにかく規模が大きなチームなのだ。参戦するドライバーも、業界では名の知れた大御所ライターさんや、自動車メディアやメカニックなどで関わっている生粋のクルマ好きばかり。文字では語りきれないほど豪華メンバーが揃ったチームというわけだ。

 そしてそして、過去にはなんと、今年3月に亡くなられた日本を代表するレジェンドドライバー「高橋国光さん」もこのチームでレースに参戦していた歴史もあるそう。凄すぎません!? そういった関係もあり、今年の本戦では追悼の意味も込めて高橋国光さんのヘルメットやサインをモチーフにしたTシャツをチーム全員で着用し、チームの全マシンにはステッカーを貼り付け。

 スポンサー陣には、ホンダやヨコハマタイヤといったクルマ好きにはお馴染みのメーカーから、ウイルス対策に欠かせない消毒液の製造メーカー、レース期間中の料理として振る舞われた牛肉を提供してくれた食肉加工会社、朝食として用意された老舗のパン屋直送のお手製のパンなど、さまざまなサポート体制となっています。

 このような豪華メンバー&バックアップ体制によって、参戦する「クラブレーシング」は支えられているとのこと。「カートに乗ってこい」というお気楽な指令からは考えられないほど、気付けばスケールの大きな話となっていたというわけだ。ちなみに、レーシングスーツは石田の発案により、せっかくなので編集部員3名で同じモデルの色違いで揃えた。


WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

編集者

愛車
ホンダ・シビックタイプR(EK9)/スズキ・ジムニー(JA11)
趣味
写真/ドライブ/サーキット走行/クルマ弄り/スノーボード/ダーツ/自転車/その他多数
好きな有名人
大泉 洋/織田裕二/篠原みなみ

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