素朴な4ナンバーはアガリの一台にもおすすめ!
高速巡行においては横風にあおられると車線を維持するのも難しいと感じるほどで、直進安定性は2020年代のクルマとしては最悪といえますし、基本的には商用車ですから静粛性もイマイチです。雨の日などは雨粒が屋根を打つ音がダイレクトに響くのは閉口します。ほぼ空荷に近い状態で乗っていると、リヤ荷重が不足気味に感じるのも事実です。よくできたクルマとは言えない部分も多々あります。
その一方で、意外にステアリングとタイヤのつながっている感覚、アクセル操作に対するエンジンレスポンスといった部分は、プリミティブながら機械としてよくできているという印象を受けています。意外に運転席の出来もよく、長時間の運転でも疲れません。インプレッション的に表現すれば“クルマとの一体感があって運転自体が楽しい”のです。
エブリイバンを買う前は、「正直、軽バンライフとかノリでいっていても、すぐに飽きてしまうかも」と考えていたのですが、むしろ“アガリの一台は軽バンが最高”と思うようになっています。バイクファンの間では、さんざん趣味性の強いバイクを乗り継いだ挙句、最終的にはホンダのスーパーカブに落ち着くという風潮もありますが、四輪マニアにとっても最後は軽バンで締めるというのは悪くないかもしれません。
もっとも個人的には、まだまだ欲しいクルマ、乗ってみたいクルマはたくさんありますので、いま乗っているエブリイバンがアガリの一台になるとは思っていませんが、エンジン車としては最後の一台になってしまうかもしれません。
ところで、軽バンの中でもあえてエブリイバンを選んだのはアフターパーツが充実していて、カスタムの情報も豊富だからです。
実際、バン仕様のチープなスピーカーについては早々にトレードインタイプに交換していますが、純正装着が16cmサイズながら、17cmのトレードインスピーカー(カロッツェリアの同軸2ウェイ「TS-F1740-2 」)をインストールしています。このあたりもエブリイバンのカスタマイズをしている先達が発信した情報を参考にしています。
また、足もとはダンロップのバン用オールシーズンタイヤ「ALL SEASON MAXX VA1」を履いていますが、それに組み合わせたホイールはウェッズの「VICENTE 04 CA・EV(ヴィセンテゼロフォーシーエーイーブイ)」です。このホイールはCA・EVというアルファベットが示すようにエブリイ、キャリイ専用設計となっているのが特徴。専用ホイールが用意されるほどの人気モデルというのもオーナーとしては嬉しいところですし、マッチングについても専用設計ゆえに文句なし。
そのほかディテールアップするにも多くの知見があるのがエブリイバンのメリットです。乗り始めて、間もなく一年が経ちますが、本当にエブリイバンを選んでよかったと感じています。