この記事をまとめると
■日本ではあまり見かけないが4分の1マイルをどちらが速く走るかを競う「ドラッグレーシング」がある
■アメリカではモータースポーツとして細かにクラス分けもされた人気競技となっている
■日本にも競技団体があったが、走行時間が10秒前後と短く競技内容が単調で普及しなかった
どちらが4分の1マイルを速く走るかを競う単純なモータースポーツ
「ドラッグレーシング」という言葉を聞いたことがあるだろうか? 2台のクルマあるいはモーターサイクルがスタートラインで並んで停まり、スタートの合図で同時に走り出しどちらが速くゴールラインを走り抜けるかを競う、発進加速のレースのことである。残念ながら日本では、かつて一部ファンの間で支持されていたが、現在ではほとんど目にすることがないレースとなっている。
ドラッグレースの発祥は、第二次世界大戦直後のアメリカで、創設には退役軍人が多くかかわっていたという。400mの直線を競技区間として使用し、その距離から日本では「ゼロ・ヨン」という呼び名が定着しているが、正確にはスタンディング・スタート(停止状態、略してSS)、4分の1マイル(1320フィート、402m)、SS 1/4mileとなり、400mではなく402mがアメリカでの競技距離となっている。
本国アメリカでは、現在も広く親しまれているモータースポーツの1カテゴリーで、トップフェーエル、トップフューエルファニーカー、プロストック、プロモディファイド、プロストックモーターサイクルなど、車両規定に応じて細かくクラスわけされている。
最速であるトップフューエルクラスでは、走破タイムが3.7秒を切り、ゴールライン通過時には530km/hを超す壮絶なデータが記録されている。