この記事をまとめると
■認証試験での不正が明らかになった日野自動車は国内向けの生産が全て止まっている
■CJPTはこの事態を重く受け止め、日野自動車をCJPTから除外する処分を決定した
■「商用分野での脱炭素への取り組み」を目的に設立された共同出資会社だ
日野自動車の新たな不正発覚で国内向け生産が停止
2022年3月に公表された日野自動車の不正問題、当初は2016年以降の不正で、その対象も一部車種という話だったが、結果的に国内向け全車種について不正があり、一時的に国内向けの生産がすべて止まるという非常に大きな問題になった。
さらに、少なくとも2003年から不正が確認されるという調査結果もあった。不正が長期的かつ常態化していたのは個人の問題ではなく日野の社風というのが第三者による結論だ。商用車における優れた技術を持っているという日野ブランドの価値は下がり、企業としても不信感を高める結果となっている。
ご存知のように、日野自動車の主要株主はトヨタ自動車(持ち株比率50.1%)の連結対象企業であり、いわゆるトヨタの子会社にあたる。ともすればトヨタがカバーしてくれると思いがちだが、さにあらず。
実際、8月24日に親会社であるトヨタの豊田章男社長は次のようなコメントを出している。
「今回、日野が起こした認証試験不正は、お客様をはじめすべてのステークホルダーの信頼を大きく損なうものであり、日野の親会社としても、株主としても、極めて残念に思います。長期間に亘りエンジン認証における不正を続けてきた日野は、550万人の仲間として認めていただけない状況にあります。CJPTは日本のCASE技術をベースに、みんなで未来をつくるプロジェクトです。現状では日野がいることで皆様にご迷惑をおかけしてしまうと考え、CJPTから日野を除名することが適当であると判断し、関係各社とも協議のうえ、今回の結論に至りました。パートナーの皆様とは引き続き、輸送業が抱える課題の解決や、カーボンニュートラル社会の実現に貢献することを目指して、プロジェクトを進めてまいります。」
人間の親子関係でいえば、ある意味で“勘当扱い”のような厳しい態度で接している印象がある。