この記事をまとめると
■例年9月には多くのディーラーで半期決算セールが行われていた
■しかし、ここ数年はほどんど開催されていない
■理由は即納可能な車種がどのメーカーも存在しないこと
いまはバックオーダーの消化が最優先
例年9月といえば、事業年度締めでの上半期末となり、新車ディーラーでは半期決算を声高に叫び、事業年度末となる2月や3月並みの新車販売台数を稼いでいるのだが……。
ここ数年は新型コロナウイルス感染拡大、昨年あたりからは世界的なサプライチェーンの混乱や半導体不足が続いたことによる納期遅延により、いわゆる半期決算セールは鳴りを潜めてしまっている。
原因はとにかく即納(すぐ納車できる)可能な車種がどのメーカーもほぼ存在しないことが大きい。現状では納車までに2~3カ月かかっても早期納車といわれる始末。そのなかで1年近く納車まで待たされる車種も少なくない。半期決算セールはディーラーがストックしている在庫車などで、9月中に納車可能な車両を破格の値引きで販売することで、ディーラーは在庫処分ができ、買う側は好条件で新車を手にできる。新車の販売現場もおおいに盛り上がるのだが、最近そのような在庫車にはまずお目にかかることはない。
ある新車ディーラーのセールスマンは、「ここ数年、半期決算などは意識していないですね。とにかく積み上げているバックオーダーを消化し、一刻も早くお客様のもとへお届けするのが最優先となっております」と話してくれた。以前は多くのメーカーで半期決算セールのテレビコマーシャルを流していたのだが、今年はホンダがプレミアム決算フェアのテレビコマーシャルを流しているぐらいだ。