コストや重量などの面でターボに劣るスーパーチャージャー
市販車への過給機装着は、1970年代前半から始まったが、使われたのはTCで、採用が本格化するのは1980年代に入ってからだった。過給特性の改善が図られ、アクセル操作に対して精度の高いリニアリティが伴うようになるのは1990年代に入ってからだった。
こうした状況背景で、TCに対してコスト高であり、過給の回転ゾーンが限定されがちなSCは、もともと市販車の過給機として少数派だったが、TCの過給特性が洗練されることでさらに数を減らしていくことになる。
国産車では、先代の日産ノートがSCを装着したが、現在のパワーユニットはe-POWERのみ。マツダがSKYACTIV-Xと名付け、MAZDA3で低中速過給を補助する目的で使われている例が目に出来る程度だ。外国車ではポルシェカイエンやジャガーFタイプ、ロータス・エリーゼ(エンジンは異なるがエキシージ、エボーラも装着)などで搭載例を目にできるくらいである。
低公害性を重視する現在の車両作りでは、ハイブリッド方式で内燃機関の効率向上を目的に過給機を装着する例が大半だが、そこで使われる過給機のほとんどはTCである。SCはその過給特性(出力損失)とコスト、ユニット重量などの問題で使われなくなってきたのが現状で、将来的にも活用される可能性は低いと見てよいだろう。