出展メーカーが激減した理由はおもに2つ
事情通は「そもそもデトロイト市とその周辺は人口が少なく、ここ数年は集客力を疑問視する声が目立っていました。かつては技術力も高く“ビッグ3”ともいわれたアメリカンブランドが衰退してからはショーの勢いも急激になくなっていきましたね」としている。
また毎年2月にはデトロイトに比較的近いシカゴでオートショーが開催されている。シカゴ市とその周辺の人口は多く、全米のオートショーでもトップクラスの集客力を誇るとされている。世界初公開のような派手なニューモデルがほとんどないなかでの集客力の高さなのでシカゴショーのほうが優先されているとの声もある(デトロイトからも比較的距離は近い)。
※写真は2019年のシカゴショー
また前出の事情通は新型コロナウイルス感染拡大も完成車メーカーのデトロイトショー離れを加速させたのではないかとしている。
「新型コロナウイルスの感染拡大により、多くのオートショーが開催中止になるなど、リアルでの新車発表が難しくなりました。そのなかで、多くのブランドがショーに頼らない、リモート発表などによるニューモデルリリースのノウハウなどが構築でき、コロナ禍前からあった、オートショー出展についての“選択と集中”がさらに加速したようにも見えます」(事情通)
新興国ではまだまだ盛んなオートショーであるが、先進国では急速に“オワコン”化しており、出展メリット(情報発信力や集客力)が高いとされるショーのみへの集中的な出展がさらに目立っていきそうだ。さらにオートショー開催自体が存亡の危機というところまでいきそうな感じすら強まっており、ある意味ローカルショー的色彩を強めたデトロイトショーの会場でそれを強く感じてしまった。