この記事をまとめると
■フォージドカーボンと呼ばれる新しいカーボンファイバーコンポジットが注目されている
■フォージドカーボンではこれまでの製法よりも短時間での製造が可能になっている
■まだ新しい技術のフォージドカーボンは製造工程の整備で爆発的に普及する可能性を秘めている
フォージドカーボンで業界をリードするランボルギーニ
フォージドカーボンという新しいカーボンファイバーコンポジット(炭素繊維成形品)が、イタリアのランボルギーニで採用された。
カーボンファイバーをあらかじめ繊維状に織った材料をプリプレグという。繊維状の材料は、長さや方向で力の掛り方に違いが出る。これまでのカーボンファイバーを使う製品は、長い繊維を織り込んだプリプレグを型に張り込み、加熱しながら圧力をかけ、成形した。
これに対し、フォージドカーボンは、短い繊維のプリプレグを型に張り込み、あとは同じように加熱しながら圧力を掛け成形する。繊維の長さが短いため、同じ部品での比較では弱さが出かねないが、そこはフォージドカーボンにあった成型方法を当てはめれば、逆にフォージドカーボンの特徴である短時間での製造や、これまでのカーボン・ファイバー製品とは違った見栄えという魅力で特徴を出していくことができるだろう。ランボルギーニでは、車両骨格、外板、内装に至るまで、フォージドカーボンで仕上げた例があるという。
一方、フォージドカーボンは、これからの技術ということでまだ採用例は限られる。なにごとも新技術は、それをいかに性能に活かすか、さらには商品性に反映させるかによって需要は異なる。