新型クラウンはティザーから超挑戦的だった! 登場してわかる「いつかはクラウン?」「終わりか はじまりか」の凄み (2/2ページ)

ワクワクさせられる単語が盛り沢山だった

 次に、「What is CROWN?」と「DISCOVER YOUR CROWN」は、前の2つに比べスパイス少な目ですかね。なんだか凡庸な響きで、一般ウケしづらいというか「刺さらない」のでは? とはいえ、16代目のスタイルが公開された後も使っていますから「どのタイプが自分好みか、見つけてね」てな意味合いでしょう。ただ、前述の「!」に否定的な意思が含まれているユーザーが昭和生まれだとしたらJRが打ち出した広告「DISCOVER JAPAN」の二番煎じを思い浮かべ、平成以降のわりかしヤングなら「ディスカバリーチャネル」を思い浮かべたりしてヒグマやスペースシャトルとごっちゃに(笑)ちょっと微妙なコピーといえるのではないでしょうか。

 さらに、「SEDAN? SUV?」というコピーにいたっては、ティザー広告と同時にリークされていた「次のクラウン、SUVになるってよ」を裏付けるものですから、捻りもなければあざとさもない。一方でSUV化を知らなかったとしても、公開された後で「ああ、そういうことだったのか」と納得するユーザーもさほど多くはないかと。ティザーのもったいぶった言い方も良し悪しで、これはあんまり上手くないほうではないでしょうか。

 ただし、「終わりか はじまりか」と組み合わせたパターンとなると話は別。個人的にはグッとひきつけられました。SUV化が端からわかっていても、「セダン終わっちゃうの?」とか「クラウンSUV時代がはじまるのか!」てな気持ちになり、ワクワクするというか「どうなる、どうなる」と前のめりになることはたしか。なんのこたぁない、すっかりティザー広告にのせられている自分がいるわけです(笑)

 やはり、焦らされた末に出てきたクルマが凡庸、というか予想とさほど違っていなければ「もったいぶったわりにチンケだね」とティザー広告は失敗しがち。ですが、言うなれば「クラウン維新」を果たした16代目クラウンは大成功をおさめた稀有な例と認めざるを得ません。必ずや売れ行きに反映され、日本の路上に16代目があふれんばかりになること間違いなし。でないとティザー広告に踊らされた自分がみじめでなりませんからね。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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