何もかもが規格外! ランボルギーニ50周年記念車「3億円超え」の「ヴェネーノ」の衝撃 (2/2ページ)

人気に気をよくしたランボルギーニはロードスター9台を生産

 ヴェネーノのコンセプトは、もちろんそれ以前からランボルギーニが掲げていた究極的なエアロダイナミクスと軽量化の実現。それによって加速やコーナリングの性能をさらなる高みへと導くことにある。

 ヴェネーノのベースとなっているアヴェンタドールでも、それは十分に達成されているが、ヴェネーノに使用されるカーボンモノコックはまったくの別物。同様にカーボン製のフレームを持つバケットシートなど、軽量化のためにはランボルギーニが持つ世界最先端のカーボン技術が惜しみなく使用されている。

 エクステリアデザインは、シャープで斬新なラインで構成されたもの。前後のフェンダーはボディからは独立した構造となっており、それによってダイナミックで高性能なデザインが実現された。

 ちなみにランボルギーニは、この3台のヴェネーノの人気を背景に、のちに9台のロードスター仕様を製作するが、こちらはルーフが存在しないほか、エンジンカバーのデザインも、クーペ以上にダイナミックな造形となっているのが特徴だ。

 ミッドに搭載されるエンジンは、6.5リッターのV型12気筒自然吸気。吸排気システムのチューニングや高回転化によって、最高出力は760馬力にまで高められ、組み合わされるシングルクラッチ式の7速ISRミッションやフルタイム4WDシステム、そしてプッシュロッド式の前後サスペンションも、ヴェネーノのために改めてそのセッティングが見直されたという。

 注目の乾燥重量はわずかに1450kgというヴェネーノは、0-100km/h加速を2.8秒でこなし、最高速では335km/hを記録するマシン。

 当時発表された価格は税別で300万ユーロ(当時の為替で約3億4500万円)と、こちらもランボルギーニにとってはそれまでで最高の数字となった。ヴェネーノは、何もかもが常識外のスペシャルモデルだったのだ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

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フォルクスワーゲン・ポロ
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突然思いついて出かける「乗り鉄」
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