新型クラウンクロスオーバーはグレードの違いで価格差200万円以上! 装備から「買いはどれか」を考えてみた (2/2ページ)

狙い目は2.5リッターモデルか

 ここでまず考えるべきは、RSの位置づけだ。パドルシフトまで用意するRS系はたしかに速いだろうし、スポーティな走りも楽しめるはずだが、ならばこの先に出てくるセダン、エステートとともにあるスポーツに期待が膨らむ。よって、クロスオーバーモデルとして買い得なのは、605~640万円のRS系ではなく、435~570万円の2.5リッターモデルということになりそうだ。

 とはいえ、435万円のベースグレード、CROSSOVER X(2023年1月以降生産予定)は、クラウンユーザーが期待する装備の充実度という点で不満がでるかも知れない。ディスプレイオーディオや運転席パワーシートなどが装備されないのである。じつは、それらをOPで加えていくとしたら、ひとつ上の装備が充実したGグレード(2023年1月以降生産予定)と価格はそれほど変わらなくなるのである。

 しかも、X、Gグレードはすでにカッコ内で触れたように、2023年1月以降生産予定となり、さらに予定がズレると、納期がどうなるか微妙だ。で、現時点で推奨したいグレードは、ズバリ、先代クラウンの中心グレードの価格と変わらない510万円となるCROSSOVER G “Advanced”だ。タイヤサイズはそれでも19インチ(225/55R19)と大径だが、上には21インチ(RSやレザーパッケージ 225/45R21)もあって、こちらは交換時の出費がさらに大変だ。※19/21インチともにタイヤチェーンは装着不可とのこと

 また、運転席8ウェイパワーシートなどはもちろん、Gで+17万9300円のOPとなるドライバーサポートパッケージが標準装備され、ブラインドスポットモニター、パーキングサポートブレーキ、パノラミックビューモニター、前後ドライブレコーダーまで備わるのだから、一般ユーザー向けのクラウンとしては、ユーザーの期待に応える装備類の持ち主と言っていいだろう。

 ちなみにそのひとつ上のグレードとなるCROSSOVER G “Advanced”レザーパッケージは、無論、クラウンのシートは本革じゃなくっちゃ……という人に向いているが、価格差60万円は本革シート以外の装備の追加を含めても、やや割高だ。もっとも、本革シートには、素材以外のメリットがあり、パンチングレザーの特性を生かした前席シートベンチレーションが付くところに魅力がある。エアコンの冷風をシートが吸い込むことで、暑い時期のドライブも、走行直後からより涼しく快適になり、筆者の経験(他車)では、汗をかいた体で着ているシャツの背中のシワも低減されるのである(素材にもよるが)。暑がりの人は、検討する余地アリかも知れない……。両グレードはすでに生産が開始されているから、2023年1月以降生産予定グレードよりも納期が早い点もユーザーメリットではないだろうか。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

新着情報