どこが便利でどこが不便? 「EV乗り」がホントのところを語る! (1/2ページ)

この記事をまとめると

■バッテリーEVの現状をオーナーが考察

■ガソリン車とは違った運転技術が必要となるシーンがある

■充電速度の問題や寒冷地での使い勝手などまだまだ課題は多い

バッテリーEVが今どれほど進化したのかユーザー視点で考えてみた

 地球の温暖化を抑えるために、全世界がカーボンニュートラルの脱炭素社会へと舵を切るようになった。自動車も走行中のCO2(二酸化炭素)の排出量を削減しようと、ゼロエミッション・ビークルのバッテリーEV(電気自動車)やFCV(燃料電池車)を優遇するようになっている。今の段階で乗用車の本命となっているのは、バッテリーEVだ。動力源はモーターで、化石燃料の代役はバッテリー(リチウムイオン電池)が務めている。

 モーターの魅力は、アクセルを踏み込むと瞬時にパワーとトルクが盛り上がることだ。切れ目のないシームレスな加速を満喫できる。その加速はスポーツカー顔負けだ。海外のバッテリーEVのなかには0-100km/h発進加速がGT-R並みに速いクルマも増えてきた。フル加速したときは身体をシートに抑えられるほど強烈な加速Gを披露する。しかもクルージング時だけでなく加速したときでも静粛性は驚くほど高い。振動もほとんどないから、気持ちよく会話を楽しめるし、オーディオの音楽に耳を傾けることができる。

 また、家庭用機器などの電源になる「V2L(ヴィークル・トゥ・ロード)」に対応しているバッテリーEVなら蓄積した電力をどこでも使うことが可能だ。ホンダeが貯め込んだ電気で、非常時に電力をまかなうことができるのは大きな魅力だろう。蓄電池やソーラー電源とつないで使う「V2H(ヴィークル・トゥ・ホーム)機能を搭載していれば、家庭の電力さえもまかなうことができる。

 だが、いいことばかりじゃない。最初に直面するのは充電に時間がかかることだ。バッテリーEVと呼んでいることから分かるように、駆動系だけでなく、暖房や冷房などの温度調整にも電力を使っている。少なくなってくると、燃料を入れるように電気を充電するが、その充電に時間がかかるのが難点だ。販売ディーラーや高速道路のサービスエリアに設置されている急速充電器を使えば、30分で80%程度の充電と言っている。

 だが、バッテリーEVだけでなく充電器も千差万別だ。性能差も大きい。日本の急速充電器の充電規格はCHAdeMOである。だから輸入車によっては付属のアダプターをつないで利用するが、最近はバッテリー容量の大きいバッテリーEVが多いので、30分の充電だと半分も入らない。また、急速充電器と言っても、コンビニなどに設置しているのは、出力の小さい中速タイプの充電器だ。これだと30分くらい充電しても10kWhも入っていかないのである。当然、距離を伸ばすためにはおかわり充電が必要だ。遠出すると、次の充電器のお世話になることも少なくない。


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