ただのコラボモデルではないところがポルシェの凄いところ
さて、実車のサリースペシャルはその名のとおり、サリーへのオマージュが込められたワンオフモデル。現行ストックモデル中、最速の911カレラGTSがベースに選ばれ、前述のとおりポルシェのデザイン部門とピクサーのコラボによって作り上げられました。
サリーブルーメタリックと呼ばれるオリジナルなボディペイントをはじめ、随所にカーズのシリーズエンブレムやサリースペシャルのロゴが配されたインテリアや「サリーのドライビングへの情熱」に敬意を表したマニュアルシフトを選ぶなど、なるほど気が利いた1台となっています。
さらに、劇中のサリーが履いていたターボ仕様のホイールも、再解釈したデザインで再現。サリーを知らない人が見ても「おや、カレラGTSにこのホイール!?」となること請け合いです。
しかも、これまたワンオフのポルシェ製クロノグラフウォッチ、サリースペシャルの開発・製造を丹念に記したブックレット(デザイナーの原画までついてくるそうです)など、オマケというにはゴージャスなものが付属しているのです。
でもって、売りに出されたのはお馴染みRMサザビーズなんですが、ついた値段が360万ドル(約5億円)。同社でも「ポルシェの新車としては記録的」とホクホク顔(売り上げの1割を手数料としてかすめるのですから当然です)。購入者は公表されていませんが、ディズニー/ピクサーがカーズシリーズを制作していく限りは値下がりどころか、とんでもないプレミア上乗せが期待できると、こちらもウハウハ顔してるのは間違いないでしょう。
ポルシェのワンオフといえば、オールドファンには「ポルシェ博士の誕プレ」がデフォ。このしきたりはずいぶん昔になくなってしまいましたが、サリースペシャルのニュースによって「ポルシェ博士が聞いたらさぞ喜ぶに違いない」などと想像してしまったのは、おそらく筆者だけではないでしょう。