全自動調整+微調整で最高のドラポジを提供
しかしながら、そのポジションは、筆者には全体的にやや遠く感じられた。そこで微調節することになるのだが、項目ごとにガイダンスと、丁度良いポジションに合わせるための操作方法が画面に表示される。具体的には、
・右足の踵をフロアにつけながらアクセルペダルからブレーキペダルへ踏み換えた際に踏みやすいか→ABSが効くレベルまで踏み抜くにはやや遠かったので、前後スライドを前に調節
・アクセルペダルに右足を載せた際に自重で踏み込んでしまわないか→踏み込んでしまう場合は座面を持ち上げてそれを防ぎ、遠すぎる場合は下げる
・ステアリングの上に手を置いた際、手首がステアリングと同じ位置にあるか→ずれている場合は前後上下を調節
・ステアリングの間からメーターを見た際に表示が上下方向とも切れていないか→上側が少し切れていたので、ステアリングのチルトを少しだけ上に調節
・ドアミラーに車体の一部が映り、かつ中心付近にあるか→やや内側に寄り過ぎていたので、外側に調節
・ヘッドアップディスプレイの高さ・傾きは適切か→表示範囲を示す四角のガイドがやや上寄りだったので、下に調節
といった流れで、画面に表示される説明を見ながら各部を微調整していった。
確かにこれならば誰もが、適切かつ体格や好みに合ったドライビングポジションを取ることができるだろう。
とはいえ、この機能を実装するには、パワーシートと電動チルト&テレスコピックステアリング、ドライビングポジションメモリー機能が必須となる。そのため、CX-60でも「自動ドライビングポジションガイド」は、最上級の「プレミアム」系グレードに標準装備、「エクスクルーシブ」系グレードにメーカーオプション設定となっている。
本来ならば全車に標準装備されるのが理想だが、現実的にはコスト=車両価格に直結するため、なかなかそうはいかないだろう。
なお、ロードスターの取扱説明書には、適切なドライビングポジションの取り方が非常に丁寧に記載されている。これがCX-60や他のマツダ車の取扱説明書にも掲載されるとともに、「自動ドライビングポジションガイド」が装着されないCX-60にも、調節方法のガイダンスだけでも実装されることを、筆者は願ってやまない。