もはや道なき道だって怖くない究極レジャービークル!
3)ウォーターカー H1パンサー
積んでいけないものはなくとも、走ってはいけないところがあるのがゼトロスの弱点。それを克服して、どこまでも、しかもチョッ速でバシャバシャと進んでいけるのが、こちらのウォーターカーH1パンサー。名前の通り、ハマーH1をベースにウォーターカー社が作り上げた「最速の水陸両用車」なんだそうです。ご先祖様は、なんとなくシュヴィムヴァーゲンみたいなルックスです。
とはいえ、軍用でなく完全に民用として開発されているのがアメリカらしいところですが、使い道というか、普段使いしてるユーザーはちょっとした犯罪者くらいしか思いつきません。闇取引の最中、「あっマイアミバイス来た!」と一目散に逃げだし、浜辺で追いつかれるかと思いきや、マーキュリーの船外機が轟音をあげ、車体はザブンとばかりに海へと逃げ去っていく。海上では35ノット(およそ60km/h)と公表されていますから、あの車体がジェットスキー並みの速さってやっぱりカッコいいですよね。
ただし、陸上走行から水中走行への切り替えに20秒(その逆は6秒)かかるそうですから、やっぱり逃走マシンとしては不向き(笑)。日本だったら、さしずめ大分空港から大分市内へ海上をショートカットする、なんて使い道がありそうです。もっとも、近頃復活したホバークラフトは最高速45ノットだそうですから、ぶち抜いてドヤ顔というのはできそうにありませんがね。
4)プロドライブ ハンター
ハンターとかパンサーとか「アフリカか!」と突っ込みたくなりますが、こちらのハンターはアフリカ大陸のラリー「ダカール・ラリー」に出場しているマシンを一般道で走れるようにしたといういささか無理のあるクルマ。
ご覧のとおり、サスペンションストロークの長大さ(400mm!)や、アプローチアングルの余裕が見て取れるルックスは、RCカーをでっかくしたかのようなスタイル。ちなみに全幅2300mmほどあるので、存在感はメガクルーザーを軽く凌ぐのではないかと。
プロドライブは超一流のレース屋ですから、この手の「ナンバー付きレースカー」にありがちな粗雑な仕上げとは一切無縁。砂漠を延々と走る以上、砂の流入をしっかり抑え込んだ内外装や、乗員の背後に500リットルもの燃料を積んでもスペアタイヤやハンドバッグを置けるスペースを作り出しているなど、しっかり普段使いのこと考えて作ってます(笑)。
車重およそ1.8トンに、フォード製3.5リッターV6ツインターボ、6速シーケンシャル、パドルシフトといいますから、AMGのゲレンデよりもウルスあたりが直接的なライバルかも。いや、ウルスに飽きたらハンターに手を出すなんてのが正常進化かもしれません。
ただし、お値段2億3000万円ですから、週末に鳥取砂丘へ出かけるくらいではいささか贅沢に過ぎるマシン。ここはやはり、普段使いで練習を重ね、ダカール・ラリーを目指すべき。いろんな意味で目立つこと間違いありませんね。