この記事をまとめると
■土砂禁ダンプ、深ダンプなどと呼ばれるダンプカーがある
■その名のとおり、土砂を積むことが禁止されている
■禁止の理由や、違反した場合の罰則について解説する
アオリが高いのが特徴!
大型商用車にはさまざまなタイプがあるが、お馴染みなのはダンプカーだ。見た目からゴツくて、土や砂利を積んでいるのは頼もしさすら感じる。しかし、ひと口にダンプカーと言っても、荷台の形状やサイズなどによってさらに細かい分類がある。
そのなかのひとつが土砂禁ダンプで、別名深ダンプとも呼ばれる。よく荷台のところに土砂等積載禁止と表示されているのを見かけるが、一見すると荷台が汚れるからなのかなとも思いがち。じつは表示義務があって、もちろん目的は土砂を運ぶダンプとの区別のためだ。
そもそもなぜダンプなのに土砂が運べないかというと、荷台の形状が問題。別名、深ダンプと紹介したが、アオリ(枠の部分)が高いのが特徴で、底が深いために土砂を積むとたくさん積めるため、積載量をオーバーしてしまう。つまり過積載になってしまうのだ。
そのため、ダンプ規制法とも呼ばれる「土砂等を運搬する大型自動車による交通事故の防止等に関する特別措置法」で深い荷台のダンプには規制が設けられていて、車検証にも「積載物は土砂以外のものとする」と記載される。
もし違反して、土砂禁ダンプに土砂を積んだらどうなるかというと、改善命令を何度か無視した場合に3万円以下の罰金。つまり反則金ではないので、前科がつくことになる。ちなみに土砂だけでなく、コンクリート片や瓦礫なども同様に積むのは禁止だし、積載量の範囲で少なく積めばいいというわけでもない。積みたい場合は、アオリ部分を低くしたりして、構造変更をしてもらうしかない。
最後に土砂などの重量物を積むのはダメとして、逆になにを積むのかというとペットボトルや発泡スチロール、牧草などの軽くて、フルに積んでも積載量を超えないものとなる。