この記事をまとめると
■ステアリングには大きく分けてウレタンと本革巻きのふたつがある
■それぞれのメリットとデメリットについて解説
■本革は感触や見た目に優れ、ウレタンは耐久性が高く低コストが利点
ステアリングにはウレタンと本革巻きがある
クルマのステアリングは運転中、常に触れる部分。それだけにできれば上質なものが備わっている車種に乗りたいと思うのも当然だろう。
そんなステアリングではあるが、大きく分けて本革巻きのものとウレタンのものが設定されており、前者では高級車や上級グレードに、後者では安価な仕様や商用車などに多く採用されている。そんな本革巻きとウレタンのステアリングのメリット&デメリットはどんなところにあるのだろうか?
まずは本革巻きステアリングのメリットだが、なんといっても触れたときの感触の良さが第一に挙げられるだろう。手になじむしっとりとした触れ心地となるだけでなく、ウレタン製のものよりも滑りにくいといった実用面でのメリットも見逃せないところだ。
また革という特性上、保温性や吸湿性なども優れているので、常に触れるステアリングにはピッタリの素材とも言える。
そして革を巻いているためにそれを縫合するステッチもアクセントとなるので、ドレスアップ効果が高い点も上級グレードなどに採用される理由のひとつと言えるだろう。
その一方で、そもそも傷付きやすい素材である点や、定期的なお手入れを欠かしてしまうと本来の風合いや手触りなどが変化してしまうことや、劣化やスレなどによってテカリなどが生じてしまうこと、保管状況によってはカビが発生しやすいといったデメリットも存在する。
一方のウレタンステアリングのメリットは、なんといってもその耐久性の高さ。比較的柔らかい材質ではあるものの、樹脂系素材であるため水や汚れにも強く、万が一傷がついても革巻きステアリングのように表皮が剝がれてしまうといったこともない。
そのほかでは本革巻きステアリングに比べて低コストで生産することができるため、商用車など車両コストにシビアな車種に採用されることが多いのだ。
そんなウレタンステアリングのデメリットは、保温性や吸湿性が皆無であるため、汗などで手が濡れた状態では滑りやすくなることや、長期間使用しているとベタ付きなどが発生して使用感が悪化してしまう点が挙げられる。
また低コストであるからやむを得ない点ではあるものの、飾り気がなく味気ないルックスとなってしまう点もデメリットと言えばデメリットかもしれない。
このように一長一短のある本革巻きステアリングとウレタンステアリング。最近ではステアリングに多くのスイッチが備わるようになってステアリング交換のハードルも上がっているが、純正形状のまま素材を変更したものなども販売されているので、ステアリングの劣化などが気になる人はチェックしてみてもいいかもしれない。