土も舗装もスイスポで激走! めったにいないダートラとジムカーナに参戦する「二足のわらじ」ドライバーの挑戦 (2/2ページ)

ダートラとジムカーナはまったくの別物!

 全日本選手権で12年のキャリアを持つだけに、ダートトライアルでは常にトップ争いを展開している細木選手だが、ジムカーナでは苦戦を強いられているようで全日本のデビュー戦となったタマダでは15位に低迷。さらに岡山では10位に沈んでいるのだが、細木選手によれば「ダートトライアルとジムカーナはライン取りや攻略のポイントを含めてまったく違いますからね。それにダートトライアルはずっとやってきたので、無意識にドライビングできているんですけど、ジムカーナはまだ始めたばかりなので、コントロールの仕方を考えながらドライビングをしています。コースに対する対応が二の次なので遅れてしまうし、秒差で開くことのあるダートトライアルと違ってジムカーナはコンマ差の勝負なので難しいですね」と語る。

 ちなみにダートトライアルの魅力について細木選手は「滑りやすいし、ブラインドコーナーが多いので最初は恐怖から始まるんですけど、うまくコントロールできるようになれば豪快な走りができるのでそこが楽しいです」とのこと。一方、ジムカーナの魅力については「クルマのセットアップやドライバーのコース攻略が違うのにコンマ数秒のシビアな世界ですからね。難しいところでもあるけれど、面白いところでもあると思います」とか語っている。

 さらに気になる参戦コストについては「ダートトライアルはロールケージが必要なので初期投資が必要なんですけど、ドライバーのテクニックが勝敗を左右します。ジムカーナは入りやすいんですけど、クルマの良し悪しが大きく出てきますからね。リザルトを求めるとジムカーナもコストはかかってきますよ」とのことだ。

「スズキワークス久留米としては、ダートトライアルで安定して成績を出せるようになったので来年はジムカーナで本格的な活動をしたい……という意向ですし、個人的にもダートトライアルとジムカーナで全日本チャンピオンに輝いたドライバーはいないと思うので2023年は本格的にジムカーナにチャレンジして、チャンピオンを目指したいと思います。岡山ではペナルティで10位に終わったけれど、タイム的には5番手につけられたので感触は悪くないですね」と細木選手。

 さらに「ダートトライアルのフル参戦は今年が最後になると思いますが、2023年も近いところはスポット参戦したいですね」と語っているだけに、細木選手の“2足のわらじ”は続くことになりそうだ。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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