この記事をまとめると
■かつては存在していたカッコいい軽自動車を振り返る
■AZ-1、ビート、カプチーノのABCトリオは軽スポーツカーとして人気を博した
■ツールのようにガシガシ使えそうな実用車にもいま見てもカッコいいモデルがある
スポーツカーとしても魅力的だった軽自動車のABCトリオ
最近の売れ筋軽自動車は、N-BOXに代表されるスーパーハイト系、そしてハスラーやタフトといったクロスオーバーモデルだ。軽スポーツモデルはホンダS660が生産中止となり、いまではダイハツのコペンのみ。つまり、スライドドアを備えているような実用車が中心で、カッコいい軽にはほぼお目にかかれない……。
しかーし、時を戻せば、いま見てもカッコいい軽自動車が存在したのである。軽スポーツではスズキ・カプチーノ、ホンダ・ビートのほか、極めつけとしてマツダの販売チャンネルのオートザムから1993年に登場した軽スポーツクーペのAZ-1があった。そのOEM車のスズキのキャラと合わせて忘れ難い存在だ。
何しろAZ-1はFRPボディにガルウイングドアというスーパーカー並みの仕立てで、パワートレインはアルトワークスから移植されたターボエンジンをキャビン後方に搭載。つまり、ミッドシップスポーツだったのである。
話を戻せば、カプチーノは1991年に発売されたFRの前後51:49という重量配分を持つ生粋の軽スポーツカー。アルトワークス用のインタークーラーターボエンジンを搭載し、後期にはオールアルミ製のエンジンに換装。
3ピースルーフを採用し、取り外してトランクに収納すれば、オープンスポーツ、タルガトップ、S130フェアレディZにもあったTトップに変身させられ、クローズドを含めて4種類のボディが楽しめる(!)軽スポーツカーだったのだ。とはいえ、車内の狭さも自慢(!?)で、乗降もけっこう大変だったとことを思い出す。
ホンダ・ビートは、ミッドシップ+フルオープンという希少な成り立ちの、海外デザイナーによるMR軽スポーツとされている(公式ではないが)。
エンジンはNAのみだったのだが、それでもターボ並みの64馬力を発生。レッドソーンは8500回転だ。しかも、四輪独立懸架のサスペンション、軽自動車初の四輪ディスクブレーキを採用。ノンパワステ、ミッションは5速MTのみ。タイヤは前が13インチ、後が14インチの前後サイズ違いを履くなど、S660よりも硬派だったかもしれない。