この記事をまとめると
■パッシングとはハイビームを素早く点滅させて他車に合図をすること
■はっきりとした使い方やルールが決まっていないため、トラブルの原因になることも
■そこで今回は、パッシングがどのような意味で使われているのかを解説する
たびたびトラブルの原因に
郊外のまっすぐな一般道を走っていたら、対向車線から走ってきたトラックが、パパッとライトを点灯させてパッシング。さて皆さんはこの時、そのトラックがどんな意味でパッシングをしてきたのか、理解できるでしょうか?
Aさんは、「ヘッドライトが眩しかったから、怒っていたのかな?」と心配します。Bさんは、「この先で取り締まりをやっていることを教えてくれたのかもしれない」と警戒。Cさんは「なんの心当たりもないから、知り合いのクルマだと勘違いされたんじゃないか」と考え込みます。
このようにパッシングにはいろんな意味があり、必ずしもパッシングをしたほうの気持ちと、されたほうの受け取り方が合っている場合ばかりではないのです。はっきりとした使い方やルールが決まっているわけではないことから、たびたびトラブルのもとになってしまうパッシング。今回はどんな時に使い、どんな意味があるのか、ご紹介したいと思います。
まずパッシングとは、ライトのスイッチを使ってハイビームを素早く点滅させ、対向車や前走車に合図をすることです。語源となっているのは、前を走っているクルマに対して「先に行きたいので道を譲ってほしい」という意味合いのPassingに由来するといわれています。モータースポーツ観戦をしたことがある人なら、遅いマシンの後ろからくる速いマシンが、パパパッとライトを点滅させて抜き去っていくシーンがイメージできるのではないかと思います。
ですがいつの頃からか、さまざまな状況でさまざまな意味合いを持って使われるようになりました。交差点では、右折を待っているクルマに直進車が「曲がっていいよ」と合図する時。それに対し、丁寧に「ありがとう」という意味でパッシングを返すこともあります。道路脇の駐車場から出ようとするクルマに対し「入っていいよ」と合図するパッシングもあり、いろんな場所での「お先にどうぞ」という意味で使われます。