軽油は圧倒的に安い! 補助金だって出ちゃう! EV時代だけど「ディーゼルエンジン」にもの凄く魅力を感じるクルマ4選 (2/2ページ)

ディーゼルはコスパがいい!

 もう一台、国産SUVのなかから“ディーゼル推し”のモデルとして紹介したいのが、トヨタ・ランドクルーザープラドだ。プラドのパワートレインは2.7リッターガソリンエンジンと2.8リッターディーゼルの2種類から選べるが、その性能差を考えると価格差以上の価値がディーゼル車にあるといえる。

 たとえば、同じTX“Lパッケージ”(7人乗り)でガソリン車とディーゼル車を比べてみよう。

 ガソリン車の価格は433万7000円で、最高出力163馬力、最大トルク246Nm、WLTCモード燃費は8.3km/Lとなっている。一方、ディーゼル車は499万7000円と高くなるが、最高出力204馬力、最大トルク500Nm、WLTCモード燃費は11.2km/Lとなっている。

 倍以上のトルクが生み出す余裕、クロカン走行で粘り強さなどを考えると、予算が許せばディーゼルエンジンを選ぶほうがランドクルーザープラドらしさを満喫できるのではないだろうか。もっとも、ガソリン車のほうにも、100kg以上軽いというメリットはある。最終減速比をディーゼル車の3.909に対して、ガソリン車では4.777にローギヤード化するなど、走破性において大きな差が生まれないよう配慮されている点も記しておこう。

 ところで、絶対的なパフォーマンスではガソリン車優位だが、コスパの点からディーゼル車を選びたいと感じるモデルもある。それはメルセデスのコンパクトな7人乗りSUVとして市場から高い支持を集めているGLBである。

 そのラインアップはメルセデスベンツGLB180とGLB 200 d 4MATIC、メルセデスAMG GLB 35 4MATICとなっている。それぞれの搭載エンジンと最高出力、そしてメーカー希望小売価格は次のようになっている。

GLB 180:1.4リッターガソリンターボ(136馬力) 568万円
GLB 200 d:4MATIC 2リッタ0ディーゼル(150馬力)593万円
GLB 35 4MATIC:2リッターガソリンターボ(306馬力)810万円

 こうして価格を眺めていると、やはりAMGは絶対的には高価だ。性能を考えれば妥当であっても、なかなか庶民がメルセデスを選ぶ際の候補にはなってこない。また、グレード名からもわかるようにGLB 180以外は4WDとなっている。つまり、GLB 180とGLB 200 d 4MATICを比べると、後者がパワフルなディーゼルエンジンとなり、駆動方式も4WDという違いがあるわけだ。さらにいえば、GLB 180は7速ATなのに対して、GLB 200 d 4MATICは8速ATとなる。小排気量ガソリンターボの軽快さにも魅力はあるが、全体的にコスパで考えればGLB 200 d 4MATICを、おすすめしたい。

 ここまでディーゼルエンジンの似合うイメージが強いSUVを中心に「ディーゼル車を選ぶべき」モデルを紹介してきたが、スポーティな印象のホットハッチであっても魅力的なディーゼルエンジンを載せているモデルがある。

 その代表格としておすすめしたいのがMINIだ。じつは、3ドア、5ドアともにディーゼルエンジン搭載グレードが用意されているなど思っている以上に選択肢も広い。それぞれのグレードと搭載エンジン、最高出力、メーカー希望小売価格は次のようになっている。

MINI 3ドア COOPER D:1.5リッター 3気筒 (116馬力)362万円
MINI 5ドア COOPER D:1.5リッター 3気筒 (116馬力)373万円
MINI 5ドア COOPER SD:2.0リッター 4気筒(170馬力)428万円

 パフォーマンス重視でいうと4気筒ディーゼルを載せたクーパーSDを選びたくなるが、MINIの特徴であるキビキビとしたゴーカートフィーリングとディーゼルの組み合わせを濃密に感じたいのであれば、ホイールベースが短く、車体も軽い3ドアのクーパーDというのも悪くないと思うが、いかがだろうか。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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