この記事をまとめると
■ノーマルエンジン車とハイブリッド車はどちらが買い得かを考えた
■カローラクロスのガソリンとハイブリッドで計算
■実質価格差を燃料代の節約によって取り戻せるのは5万kmを走った頃
損得勘定は複数の要素に基づいて決まる
ノーマルエンジンとハイブリッドの損得勘定は、複数の要素に基づいて決まる。その内容は、装備が同等のグレード同士で比べた時のノーマルエンジンとハイブリッドの価格差、購入時に納める税額の違い、WLTCモード燃費と燃料代の差額、そして走行距離だ。ハイブリッドとノーマルエンジンでは、数年後の売却額も異なるが、使う年数や車種の人気度によっても差額が違ってくるため、そこは含めないで考えるほうが良い。あえて含めた場合は、ハイブリッドが有利になる。
またクルマ関連の出費を抑えたい場合、一番トクをする方法は、消耗品以外のパーツ交換や故障が増え始める直前まで使うことだ。この場合は、10年間(6〜10万km)程度は乗るから、ノーマルエンジンとハイブリッドの売却額はあまり変わらない。
そこでカローラクロスハイブリッドZ・2WD(299万円)と、1.8リッターのノーマルエンジンを搭載するZ・2WD(264万円)を比べてみたい。両グレードの装備はほぼ同じで、価格はハイブリッドZが35万円高い。
ただし購入時に納める税額は、ハイブリッドが約10万円安い。従って実質的な価格差は25万円に縮まる。
そしてレギュラーガソリン価格が1リッター当たり160円として計算すると(現在の170円前後は高すぎる)、1km当たりの走行コストはハイブリッドが6.1円、ノーマルエンジンは11.1円だ。ハイブリッドの燃料代は1km当たり5円安い。
そうなると25万円の実質価格差を燃料代の節約によって取り戻せるのは、5万kmを走った頃だ。1年間の走行距離が1万kmなら、5年間で実質価格差を取り戻せる。
そしてハイブリッドはノーマルエンジンに比べてノイズが小さく、加速はスムースだ。車種によっても異なるが、ノーマルエンジンとハイブリッドの価格差を40万円以下に抑えた場合は、1年間に1万kmを走る使い方で、ハイブリッドがトクをすることが多い。
購入時には、上記のカローラクロスで行ったような損得勘定を実際に計算してみると良いだろう。