この記事をまとめると
■トヨタのアルファードとヴェルファイアは姉妹車
■しかしヴェルファイアの販売台数はアルファードを大きく下まわる
■ヴェルファイアの影が年々薄くなっている理由について解説する
ヴェルファイアからアルファードへ乗り換えるユーザーも
2022年上半期(1〜6月)の販売ランキングを見ると、国内でもっとも多く登録されたミニバンはフリードで、1カ平均の登録台数は約7300台であった。ミニバンの2位はアルファードで、1カ月平均は約5800台だ。
フリードは全長が4300mm以下のコンパクトミニバンで売れ筋価格帯は220〜290万円だが、アルファードは全長が4900mmを超えるLサイズで、売れ筋価格帯は400〜550万円に達する。アルファードは、高価格車としては絶好調の売れ行きだ。
しかしアルファードの姉妹車となるヴェルファイアは、2020年上半期の1カ月平均登録台数が約240台に留まる。アルファードのわずか4%だ。
過去を振り返ると、アルファードの初代モデルは、トヨタで最初の前輪駆動を採用するLサイズミニバンとして2002年に発売された。2008年に2代目にフルモデルチェンジされ、この時に姉妹車のヴェルファイアを設定した。販売店はアルファードがトヨペット店で、ヴェルファイアはネッツ店と区分された。
ヴェルファイアはフロントマスクが精悍なデザインで、販売店の拠点数もネッツ店が多い。そのために売れ行きもヴェルファイアが多かった。
2015年にフルモデルチェンジを受けて現行型に刷新されたあとも、ヴェルファイアが好調だったが、2018年1月のマイナーチェンジで両車の販売順位が入れ替わった。アルファードが仮面のようなフロントマスクをさらに存在感の強いデザインに改めて注目されたからだ。2018年の1カ月平均登録台数は、アルファードが約4900台、ヴェルファイアは約3100台であった。
2020年5月になると、トヨタは国内の販売体制を見直して、すべての店舗でトヨタの全車を買えるようになった。そうすると以前はアルファードとヴェルファイアを扱っていなかったトヨタ店やカローラ店でも、アルファードが売れ行きを伸ばし始めた。さらにネッツ店では、かつての専売車種だったヴェルファイアのユーザーが、アルファードへ乗り替えるようになった。
その結果、2020年の1カ月平均登録台数は、アルファードが約7600台、ヴェルファイアは約1500台と大差が付いている。