マイナーチェンジのたびに走りが進化するクルマ! なぜ最初から完全体で出さないのか? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■クルマはマイナーチェンジを繰り返す

■生産効率化によって進化が可能となる

■進化の余地を残しているわけではない

生産効率化によって進化が可能となる

 自動車メーカーが商品として作るクルマというのは、意外にも常に進化している。「ランニングチェンジ」という専門用語もあるように、公式には発表されない改良はいつの間にか実施されていることがある。

 また、新車の開発チームというのはフルモデルチェンジをしたところで完全に解散するわけではなく、人事異動はありつつも、改良を担うチームは残っているものだ。そうしたチームによって実施されるのが、ランニングチェンジであり、また表に出てくる変更でいえばマイナーチェンジなどと呼ばれる商品改良だ。

 こうした進化の方向性は大きく2つに分けることができる。ひとつは開発エンジニアが最初から感じている課題で、もうひとつは市場の声やライバルをキャッチアップするといった外的要因によるものだ。

 走りを重視したモデルにおいて、ボディ剛性を上げることは商品性につながる。そのためには、構造用接着剤や溶接個所を増やせばいいことは、誰もがわかっている。

 しかし、そのまま実行すればコストも上がってしまい、価格アップにつながってしまう。量産車においてはコストを考え、限られた工程の中で可能な接着・溶接箇所を必要なだけ見極めることもエンジニアリングといえる。

 剛性や強度には構造材の形状も関係するが、これも量産性に影響される。走りの面からは複雑な形状が理想だとしても、安定して作れなければ、その設計は採用できない。生産性とのバランスから妥協することは量産車においては基本といえる。

 そうした課題を、時間が解決することがある。生産技術の進化によって理想的な製法や形状が可能となれば、マイナーチェンジなどで採用することが可能となる。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
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菅麻貴子(作詞家)

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