欠かすことができないパーツをデザインと性能の面で有効活用
そんなレクサスUXの空力追求を代表するのがテールランプ「エアロスタビライジングブレードライト」だ。
通常、テールランプといえばボディに埋め込まれているものだが、レクサスUXのエアロスタビライジングブレードライトは赤い樹脂部分がボディから飛び出しているのだ。
しかも全体がつながっている上に、左右は翼端板のような形状で上に向かって伸びている。その形状を単独で抜き出すイメージで眺めてみれば、まさしくGTウイングの上面のようになっているのが確認できるはずだ。
そう、UXのエアロスタビライジングブレードライトはボディ側面を流れてきた空気を後方に向けて整流する役割を果たしている。テールランプという法規上絶対に必要な機能に、空力性能という付加価値をつけたパーツとなっているわけだ。
もっとも、レクサスのコンパクトSUVというキャラクターを考えれば、空力性能の狙いがダウンフォースを最優先しているものではないだろう。
ボディ側面の流速や乱流を制御することで直進安定性などを高めることが大きな狙いとなっているはずだ。さらにハイブリッドも用意しているラインアップを考えると、空気抵抗増につながるようなダウンフォースではなく、ドラッグを減らしつつ、ハンドリングに貢献することがUXに期待するエアロダイナミクスの効果といえる。
2022年5月に発表された、最新モデルへのアップデート内容をみると、スポット溶接を増やすことでの剛性アップやショックアブソーバーおよび電動パワステのセッティング変更によるリニアな応答性の向上が挙げられている。
こうしたハンドリングの進化において、レクサスUXがもともと持っている空力性能というのは欠かせないファクターであることは間違いなく、その象徴が「エアロスタビライジングブレードライト」だと思えば、UXを斜め後ろから眺めて、空気の流れに思いを馳せるというのも、オーナー的にはひとつの楽しみ方といえるのかもしれない。