自動車メーカーがF1の技術などを投入して参加した過去もある
20世紀中は直線コースがほとんどだったからか、前輪にステア機構のないリジッドマシン(?)でも事足りたのかもしれません。が、いまでは直線コースで競うことは稀でバンクあり、シケインあり、さらにはジャンプ台まで設定されているため、それなりの走行性能がなければ完走も無理。
そこで大真面目なのか、大いにふざけているのか、自動車メーカーがソープボックスレースにエントリーしてくるケースもありました。例えば、ロータスは航空力学、材料工学といったおよそ木箱と車輪のレースにふさわしくないプロフェッショナルを総動員。ついには理論上300km/h超えも可能というマシンを開発してみせました。また、ベントレーが立派なBRGにペイントされたフォーミュラタイプを開発したかと思えば、メルセデスF1チームが大昔のレースカーW25オマージュのマシンを走らせるなど、ソープボックス界の話題をかっさらっていったのです。こうした本格的(?)なマシンはグッドウッド・フェスティバルでデモレースを開催するまでに至っており、大人の遊びとして認められているのがイギリスの素晴らしいところでしょう。
※画像は実車を模したミニカー
また、ボックスカートを世界に広めた立役者はなんといってもレッドブル。日本でも東京で開催されたのでご記憶の方もいらっしゃるはず。伝統的に面白レースとして開催されていますが、かの佐藤琢磨選手までエントリーし、バンクを見事なハンドルさばきでクリアして見せるなどショーとしてのレベルは年々向上している様子。今年は大阪で開催されるとのことなので、ぜひ覗いてみたいものです。
ともあれ、こうした遊びが乗る方も見る方も楽しめるというのは平和な証拠。戦争や内紛なんてのはヤメにして、ソープボックスレースで競い合うほうがよほど大人っぽいと思うのですが、いかがなものでしょうね。