この記事をまとめると
■エンジンのシリンダーに供給する空気量を調整をするのがスロットルバルブだ
■スポーツカーには1気筒ごとにスロットバルブを持つ多連スロットルバルブ方式を採用するモデルがある
■スロットルレスポンスの向上という長所があったが、直噴方式の実用によってそれも失われた
アクセルの踏み具合に合わせて開閉するバルブ
スロットバルブの存在を気にしたことはあるだろうか? 一般的な車両ではインテークマニホールドの手前、まだマニホールドがシリンダーごとに分岐する前の吸気管がひとつになっているところにスロットルバルブは設けられ、各シリンダーに供給する空気量を調整する働きを持つバルブである。もちろん、スロットルバルブとつながっているのはアクセルペダルで、アクセルを踏み込むとスロットバルブが開き、大量の空気がシリンダー内に流れ込む仕組みだ。
このアクセル開度(スロットルバルブ開度)に応じ、吸気ポート(インテークマニホールド)内に噴射される燃料量の増減が行われる。これは燃料噴射装置付きエンジンの場合だが、現在の乗用車は大半が燃料噴射システムを採用しているため、基本的な説明としてはおおむね合っていると受け取っていただきたい。
ところが、スポーツ色の強いモデルでは、多連スロットルバルブ・システムを採用しているモデルがある。これは、1シリンダーに対して独立したスロットバルブを持つ方式で、4気筒なら4スロットルバルブ、6気筒なら6スロットルバルブという具合だ。
メリットは、スロットルレスポンスの良化、ピークパワーの引き上げに向き、もともとはレーシングカーで採用されていたメカニズムである。